ここから本文です

子どもの「学校に行きたくない」はすでに深刻 登校無理強いでさらに悪化の恐れ

11/9(土) 7:11配信

読売新聞(ヨミドクター)

本田秀夫「子どものココロ」

 さまざまな理由で、学校に行かなくなる子どもたちがいます。

 先日公表された文部科学省の統計では、経済的理由や病気以外によって年間30日以上欠席した「不登校児童生徒」の数は、平成30年度に初めて全国で16万人を超えました。昨年12月に日本財団が中学生を対象に行った調査では、年間30日以上欠席している生徒に、登校はしているが教室には行かなかったり、心の中で「学校がつらい」などと感じていたりする「不登校傾向」の生徒を合わせると、中学生全体の1割に達すると推定されています。

「行かなければならない」と意識

 義務教育は、本来は「大人が子どもたちに教育を受けさせる義務」のことです。しかし、わが国の子どもたちの多くは、「子どもが小学校、中学校に通わなければならない義務」であると思っています(思わされているのかもしれません)。したがって、不登校~不登校傾向にある子どもたちのほとんどは、「本当は行かなければならない」と意識し、何らかのストレスを感じていると思われます。

 不登校傾向になる要因はさまざまですが、共通するのは、学校生活を心から楽しめてはいないということです。学校で行われる活動には、授業、ホームルーム活動、委員会活動、部活動、休み時間、給食などの日課に加え、年間を通じていろいろな行事があります。その中で子どもたちは勉強し、体を鍛え、友達と遊び、話し合い、先生たちと接点を持ちます。これらの活動の中にやりがいや意義を見いだせていれば、学校がある程度は楽しい場となります。

体が言うことを聞かない

 しかし、どの活動にもなじむことができなければ、学校を楽しめなくなるかもしれません。友達からいじめを受けたり、先生から不当に厳しすぎる指導を受けたりすると、学校に行くこと自体がストレスになります。授業のペースや内容が、本人の学力や興味と合わない場合も、授業に集中できず、多くの時間をボーっとして過ごすことになります。

 このような状況が漫然と続くと、ある時期から登校しぶりやサボりが始まります。中には、突然、朝起きることができなくなったり、腹痛や頭痛などの身体症状が出現したりして、学校に行けなくなる場合もあります。本人は「学校に行かねばならない」、あるいは中には「行きたい」と思っている子どももいるのですが、なぜか体が言うことを聞いてくれない。そのうち、学校のことを考えただけで頭が真っ白になり、体が固まってしまうようになる子どももいます。

 不登校や不登校傾向の子どもたちのストレスは、保護者や学校の先生がうまく対応すれば、軽減させることが不可能ではありません。しかし、しばしば児童精神科医の関わりも必要となります。

1/2ページ

最終更新:11/9(土) 7:11
読売新聞(ヨミドクター)

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ