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フリーランスの社会保障をめぐる海外動向。持続可能なギグエコノミーの実現に向けて

11/9(土) 17:01配信

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近い将来、労働人口の半数がフリーランスになる。アメリカではそんな驚くべき予測がされている。

日本でもフリーランスは増え続けており、世界中でフリーランス経済、そしてインターネット経由の単発の仕事によって形成される、一夜限りのバンド演奏「ギグ」になぞらえた「ギグエコノミー」が急速に拡大していることが広く知られるようになっている。
 
デジタルノマドといった言葉にあらわされるように、時間と場所を限定されない自由な働き方ができるとして、フリーランスはこれからの働き方としてミレニアル世代を中心に魅力的な選択肢になっているともいえるが、一方でこのような働き方には、大きなリスクもつきまとう。現在、世界各国で議論が活発化しているのが、フリーランスの社会保障をどうするのかというトピックだ。

アメリカで約154兆円、日本で20兆円にも達しているというフリーランス経済。これを持続可能なものとするために世界各国で活発化する、フリーランスに向けた社会保障の仕組みづくりの最新動向をお伝えする。

急増する専業フリーランスワーカー、共通する「ある不安」

日本でも「新卒フリーランス」という働き方が賛否両論を集めるなど話題になったが、実際、フリーランスとはどんな人たちなのだろうか。 
 
実情は驚くほど多様だ。企業と単発あるいはプロジェクト単位で働く者、直接顧客に商品やサービスを提供している者、ショップや事務所を経営している者など様々な働き方がある。
 
職種もさまざまで、フォトグラファーやデザイナーなどのクリエイティブ系、ライターやエディターなどメディア系、屋台経営やケータリングなどフード系、エンジニアなどのIT系、士業やコンサルタント、配車サービスUBERやクラウドソーシングサイトに代表されるアプリやウェブサイトで単発のサービスを提供して働く人々もいる。

経済状態も多様だ。ギグエコノミーという言葉は、UBERドライバーの経済的困窮が広く報道されたことで、ネガティブなイメージが強くなったが、そもそも需給で大きく変わるフリーランスの収入。需要が高く、供給の少ないスキルを持つフリーランスの中には、単発の仕事で驚くほどの高単価を稼ぎ出す人もいる。

広義のフリーランスには、副業として行う人々も含まれるが、近年顕著なのが一般的にフリーランスという言葉で私たちがイメージする専業フリーランスの増加だ。たとえば、アメリカでフルタイムのフリーランサーがフリーランス全体に占める割合は2014年の17%から2018年の28%と増加している。

仕事探しや、集客、資金集めなどがインターネットを通じて個人でも簡単にできるようになり、煩雑な事務作業も業務支援ツールを活用することで、簡単にローコストで行えるようになっていることが、この増加の背景にある。
 
しかし、この急激な労働市場の変化に、法律や制度はまだ追いついていない。どんな職種のフルタイムフリーランスにも共通する課題は深刻さを増している。

そのひとつは「病気になったら」。病気になることは、顧客や収入の損失を意味し、多くの国で傷病休暇や傷病手当金の制度の枠外にいることが多いフリーランスには死活問題となる。

そしてもうひとつは「支払いを受けられなかったら」。多様な企業や顧客と関わるフリーランス。中には支払いをしてくれない、支払いを待たされるようなケースもある。そんな時でも家賃や光熱費などの固定費の支払いは待ってくれないのだ。

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最終更新:11/9(土) 17:01
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