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『ゲゲゲの鬼太郎』は新シリーズ突入、でもその前に!「地獄の四将編」の永富大地プロデューサーが制作秘話大公開!「古谷徹さんなら、沢城みゆきさん&神谷浩史さんに勝てるかも!?」【インタビュー】

11/9(土) 18:01配信

超!アニメディア

 「最終章・ぬらりひょん編」がスタートしたTVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』。しかし、この新シリーズの発端は、じつは「地獄の四将編」に逆上っていた。「超!アニメディア」では、新シリーズの見どころにもつながる「地獄の四将編」を永富大地プロデューサーと共に振り返る。

■「古谷徹さんなら、沢城みゆきさん&神谷浩史さんに勝てるかも!?」

ーー強烈な「大逆の四将」でしたが、なかでも印象深かったエピソード、キャラクターのことなどお話しいただけますか。

 印象に残っているのは、やっぱり零の最初の登場です。明らかに『鬼太郎』世界の中では異物、異質な存在として出てきた「石動零」というキャラクター。シナリオ会議では「妖怪殺すマン」って言ってたんですけど(笑)。復讐の鬼として出てきた石動零は鬼太郎にとっても異質だったろうし、視聴者のみなさんにとっても「???」という存在だったと思うんです。じつはスタッフや関係者から見ても「何こいつ!?」というキャラクターでした。「人間でありながら、妖怪の力を使うことができる。それはもう明らかに物語をかき混ぜるための存在として、最初から意図したことでした。1年目の「名無し編」という壮大な話を締めくくったあとに、もう1回ギアを上げていくぞ、2年目に1年目のコピーをやるんじゃないぞ、という僕らのメッセージでした。
 その後で言うと、古谷徹さんに演じていただいた「鬼童伊吹丸」の印象が僕的には非常に強烈ですね。戦闘力においては今まで出てきたキャラクターの中で最強かもしれない。そんなすごいキャラクターを誰に演じてもらおうかとみんなで考えましたよ。沢城さん率いる鬼太郎ファミリーの、あのメンバーをぎゃふんと言わせる役者さんじゃないといけない、ということを考えるわけです。だって最強なんですから。そう考えたときに、「あ、古谷徹さんだ! 古谷徹さんなら沢城みゆきさんと神谷浩史さんに勝てるかもしれない」と(笑)と。その狙い通りに、インパクトを与えられたんじゃないかなと思います。


 でも、じつはその前の「黒坊主」だって千葉繁さんだし、その前の「鵺」だって辻親八さんだし、「九尾の狐」は田中敦子さんだし。キャストを見ていただいても、沢城みゆき、野沢雅子、古川登志夫、庄司宇芽香、藤井ゆきよ、田中真弓、島田敏、山口勝平(敬称略)というあのファミリーを敵にまわして「張れる」役者さんをじつは選んできたんです。その中でも古谷徹さん演じる鬼童伊吹丸というのは、「強い」上に、「格」を見せつけるキャラクターだったので、特に印象強く残りましたよね。

ーー「地獄の四将編」のもともとの話は閻魔大王と鬼太郎の密約ということで始まりました。

 そう、その「地獄の四将編」というシリーズ名にもけっこう、思い入れがあったんです。「地獄」というものを視聴者に見せたかったんですよね。そもそも水木しげる先生が妖怪世界に興味を持つきっかけになったのが「地獄極楽図」なんですね。先生の故郷、境港にある「正福寺」の「地獄極楽絵」を子どもの頃に見て、強い衝撃を受けたのがそのきっかけだったそうです。閻魔大王がいて、餓鬼がいて、釜があって……めちゃくちゃ怖い地獄の存在は、『ゲゲゲの鬼太郎』の原点でもあるので、ぜひ今期のアニメシリーズでも出したかったんです。なので「地獄の四将編」の最後は地獄と現世がぐちゃぐちゃになるような、スケールの大きなお話にできてよかったです。

ーーねこ娘の命もからんでいたので、かなりドキドキして観ていました。

 「名無し編」ではまなが力を発動してしまって、大好きな大好きなねこ姉さんをほふってしまった。じつはこの「地獄の四将編」で鬼太郎がトラブルに巻き込まれた遠因は「まな」と「ねこ娘」なんですよね。まながねこ娘を殺したせいで、鬼太郎はやらなくてもいい取引をやらないといけなくなった。ねこ娘とまなも当事者だったのに、鬼太郎はふたりに気をつかって大逆の四将を捕まえないといけない理由をずっと黙っていました。それが明らかになった時に、ねこ娘とまながどういう思いにとらわれるのか。
 鬼太郎は巻き込みたくないという気持ちが強かったけど、「はじかれた」側のまなとねこ娘は気持ちを発露させましたよね。最後、ねこ娘が鬼太郎に向かって言うセリフに、すべてが象徴されていたと思うんです。「代わりに鬼太郎が犠牲になったって、嬉しいわけがないでしょ!?」と。
 鬼太郎がなぜ自分たちを蚊帳の外においたか、それが鬼太郎のやさしさだとわかっているから、余計にふたりは怒ったし、その後も頑張っちゃったんですよね。仲間とは何なのか。鬼太郎のほうこそ、考えさせられることになったわけです。そういう3人の心情の起伏、ドラマはうまく見せられたかなと思ってます。

■「死んで解決するほど、簡単な悩みを抱えてないんですよ」

ーーねこ姉さんの命がかかっていたので、涙を呼ぶ展開になるのかと思っていたんですが、まなもねこ姉さんも、力強かったです。

 イマドキの女の子ですからね。そんな、泣いて泣いてみたいなことじゃないですよ。最近の女の子は守られるだけじゃなく、グイグイいきますから。

ーー石動零もひょっとして命を落とすのではと思ったら、旅に出るという結末でしたね。

 いやいや、死んで解決するほど、零は簡単な悩みを抱えてないんですよ。僕的には、ずっとストレスを抱え続けてきた零がやっと最後に解放された、復讐の鬼だった零が鬼太郎と和解し、鬼童伊吹丸の力を借りることによって、一瞬浄化できる形で終われたのはよかったと思いますけどね。
 人間と妖怪の間で悩む者にとって、その解決はとても難しいと思うんです。自分は妖怪だけど人間との共存を目指していかなくちゃいけない、そう口にはしないけれどずっと背中で語って汗をかいている鬼太郎。そして鬼道衆という立場で、人間を妖怪から守らなければいけないミッションを背負う石動零は、本来のミッションに戻って伊吹丸と共に研鑽を積んでいこうとしている。このあとも鬼太郎たちと絡んでくるかもしれない。それにねずみ男も、半妖です。人間と妖怪のはざまで揺れ動いている者は、この世界ではとても多い。
 ところが、そうした悩みをまったく持たないのが、新シリーズのキーマン「ぬらりひょん」なんです。「妖怪だけでいい」、しかも「西洋の妖怪はいらん。日本の妖怪だけでいい」と言う。ある意味、究極の保守主義者ですね。人間もいらないし、海外の妖怪もいらない。人間に追いやられ、西洋妖怪にも侵略されかけ、おびやかされている「日本妖怪の復権を!」と宣言する存在が、これから鬼太郎たちにどうからんでくるのか。ぬらりひょんは、鬼太郎を責めたてていきます。「お前はどっちの味方だ? 妖怪じゃないのか? なぜ人間の味方をしているのか」と。
 これまでのアニメシリーズではシリアスな反面、チャーミングな一面を見せることもあったかと思うんですが、今回はシリアスしかないです。笑いはなし。演じていただくのは大塚明夫さん。最高にかっこよくて魅力的なぬらりひょんに乞ご期待です!

〈TVアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』情報〉
フジテレビほかにて毎週日曜午前9時~9時 30 分放送(一部地域を除く)

■スタッフ
原作:水木しげる
シリーズディレクター:小川孝治
シリーズ構成:大野木寛
キャラクターデザイン・総作画監督:清水空翔
音楽:高梨康治、刃-yaiba-、
制作:フジテレビ・読売広告社・東映アニメーション

■メイン出演者
ゲゲゲの鬼太郎/沢城みゆき
目玉おやじ/野沢雅子
ねずみ男/古川登志夫
ねこ娘/庄司宇芽香
犬山まな/藤井ゆきよ
砂かけばばあ/田中真弓
子泣きじじい&ぬりかべ/島田敏
一反もめん/山口勝平

(C)水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション

宮村妙子(アイプランニング)

最終更新:11/9(土) 18:01
超!アニメディア

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