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毒親育ちのもちぎさんはどうやって親の呪いからサバイブしたのか

11/9(土) 23:10配信

ELLE ONLINE

父の自殺後、売春をしながら働いて母を養い、家では刃物を向けられ、ゲイだとバレて殴られ、高校卒業直前に家出。その後ゲイ風俗で働きながら受験勉強し大学合格。自力で学費を稼いで卒業したものの、就職先で同性愛者差別により離職、ゲイバーで働き始める……。平成生まれながらその壮絶な半生を綴った漫画は、ツイッターで発表すると数万のリツイートを獲得し大反響を呼んだ。農業などをしながら「現在は田舎でのんびりと暮らすゲイ」、もちぎさんのエピソードをまとめた『ゲイ風俗のもちぎさん セクシュアリティは人生だ』は、8月に発売されるやなんとすでに四刷にまで至るヒット作品となっている。

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そんな彼がどうやって親と決別し、サバイブしたのか。昭和生まれの毒親育ちエディターが直撃。毒親対策に「こうすれば大丈夫という正解はない」と前置きしたうえで、自らの体験をエル・オンラインに語ってくれた。

1 虐待の理由は探さず、ただ理解

―――世間の毒親のイメージに違和感があったとか?

経済、暴力、束縛、言葉など、人によっていろいろな支配、虐待のされ方があって他の人と異なります。だからひとつのイメージにはまとめられませんよね。だから違和感がありました。子どもの頃、母は“怖い親”でしたが大人になって振り返ると、母は大人じゃなかったんだ、親ですらなかったのかもしれないと思うようになりました。今、二巻を制作中なんですけど、母親は親になる前に少女だったのかもと考えた章を描くつもりです。

―――でもそれがわかったところで赦せますか? 救われますか?

救いにはなっていないです。ただ理解できただけ。溜飲を下げたというか……。でも理解できないと、(虐待されたのは)自分にも原因があると思ってしまう。母親がしんどい時期に自分が生まれてしまった。たとえばそのタイミングだけ取っても、「どう頑張ったってそれはどうしようもないことだ」と理解することで、いい感じになったのかなと。

―――すごく共感するエピソードが入っていて、ウチも勉強すると怒る母でした。受験勉強しているとあからさまに嫌がらせをされました。意味不明で……。

勉強しろという人は毒親の中でもよく聞きますけど、勉強するなハラスメントも結構ありますよね。漫画には描いてなかったんですけど、勉強しているとよく「電気代の無駄」とか「ケシカスが落ちるからイヤ」とか言われていました。掃除するのボクなんですけどね(笑)。母は単純にそういうのが本当に嫌いだったのかもしれない。もしくは高校中退のコンプレックスからかもしれない。子どもが勉強したら自分の知らない遠いところに行ってしまうのが怖かったのかもしれない……。そういう推測はできますが、基本理由はわからないんです。よくツイッターでも「なぜお父さんは殴ったんだろう」「なぜあのとき母親は無理やりモノを食べさせようとしたんだろう」など問いかけられることもあって、みんな理由を探しているんだと感じます。でも、親が虐待をする理由を探せば探すほど泥沼です。見つかったとしても自分が救われるとは限らないし、むしろ自分をもっと責めるようになるかもしれないので。

「勉強するな」以外にも「おまえはブサイクだ」とか言われてきました。でも自分は母親にすごく似ているんです。だからこれは自己肯定感が低くなっている人のためにも、悪口は言っている人が言われたくないことなんだと知ってほしいです。でも、なぜ悪口を言ったのかは推測だけで、本当の理由はわかりません。母との対話でなければ。ですが理解するだけで、今まさに毒を吐かれている子供たちに、「親の(子どもを攻撃する)発言の責任は、あなたにはないんだ」と言ってあげられます。

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最終更新:11/11(月) 13:56
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