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東京で巨人コンビの爆発に期待…侍ジャパン・1次ラウンドふりかえり~野手編~

11/9(土) 11:15配信

ベースボールキング

◆ 好スタートを切った侍ジャパン

 11月3日に開幕した『第2回 WBSCプレミア12』も、あっという間にオープニングラウンドの戦いが終了。グループAからはメキシコとアメリカ、グループBは日本とチャイニーズ・タイペイ、グループCは韓国とオーストラリアが勝ち抜けを決め、決戦の地である日本に乗り込んでくる。

☆日本は豪州・米国・メキシコ・韓国の順に対戦

 11日(月)からはじまるスーパーラウンドは、この6チームによる総当たり戦。ただし、同組ですでに対戦しているチームとの再戦はなく、その間の当該成績はオープニングラウンドの結果をそのまま持ち越し。そのため、メキシコ・日本・韓国の3チームは1勝0敗から、アメリカとチャイニーズ・タイペイ、オーストラリアは0勝1敗からのスタートということになる。

 そのうえで各国が計4試合を戦い、成績上位2チームが決勝戦へと進出。3番目・4番目のチームは3位決定戦へと回るという仕組み。日本はオーストラリアからはじまってアメリカ、メキシコ、最後に韓国という4試合を経て、決勝進出を目指していく。


 今回はスーパーラウンドの開幕を前に、日本のここまでを振り返るべく、各選手の成績や起用法に注目。オープニングラウンド3試合の戦い方から見えた選手たちの役割や、このあとのカギとなりそうな要素を探してみた。


◆ 先発投手によって起用分かれた捕手

 捕手はレギュラーを決めることなく、オープニングラウンドでは3人が1試合ずつスタメンマスクを担当。山口俊が先発した初戦は同じ巨人の小林誠司が、高橋礼が先発した第2戦でも同じソフトバンクの甲斐拓也が舵を取り、シーズンをともに戦った勝手知ったる女房にリードを託した。

 そんな中、もっとも評価を高めたのが、第3戦でスタメンマスクを被り、フル出場した會澤翼だ。今大会の侍ジャパンに3名の選手を送り込んでいる広島だが、投手はゼロ。會澤だけは普段ともに戦っていない投手を操ることになるなか、計6投手を巧みにリードしてチャイニーズ・タイペイ打線を1点に封じた。

 また、慣れないコンビということに加え、第3戦はこれまでとまったく違う環境下での戦いでもあった。球場は地元チームへの大声援がこだまする“完全アウェー”の状況。国際試合独特の緊張感も相まって投手陣には大きなプレッシャーがのしかかるなか、終始落ち着いたリードで試合を組み立て、走者は出しても本塁は踏ませず。最終回に1点こそ失うものの、TBSの生中継でゲスト解説を担当した上原浩治氏に「會澤くんのリードが非常に良かった」と言わしめる活躍でチームを勝利に導いている。

 捕手3人のなかで最も打力に定評のある選手でもあり、当初は“右の代打”枠としても期待がかかっていた31歳だが、ここにきて守備面でも評価が上昇中。一躍ジャパンの正捕手候補に名乗りを挙げた會澤に引き続き注目だ。


【捕手・今大会の成績】

10 小林誠司
1試合 率.000(1-0) 本0 点0
得点1 四死球1(死球0) 三振0
犠打0 犠飛0 盗塁0 失策0

27 會澤 翼
2試合 率.000(4-0) 本0 点0
得点0 四死球2(死球0) 三振1
犠打0 犠飛0 盗塁0 失策0

62 甲斐拓也
2試合 率.000(3-0) 本0 点0
得点0 四死球0(死球0) 三振0
犠打0 犠飛0 盗塁0 失策0


◆ 山田を「1番・一塁」に

 内野手で取り上げたいのが、「1番」を巡る争い。今大会はまず坂本勇人を1番に入れる形でスタートしたものの、直前の強化試合からなかなか調子が上向かず、ベネズエラ戦でも4打数無安打2三振と苦しい姿を見せると、8回裏一死満塁の場面で代打を送られるという屈辱も味わった。

 その時、坂本に代わって出てきたのが山田哲人だった。終盤に2点を追う苦しい状況で流れを変える一打に期待が集まるなか、男は初球からフルスイング。弾き返した大飛球は惜しくもレフトポールの左に切れたが、そこからしっかりとボールを選んでフルカウントから押し出しをゲット。この1点を皮切りに、チームはこの回一挙6得点で試合をひっくり返す。

 翌日、稲葉監督は坂本の打順を下げ、山田哲人を1番で起用。この日は安打こそなかったものの、3回の第2打席で二死から四球をもぎとると、そこからチャンスを作って相手の失策の間に山田が先制のホームイン。さらに続く4番・鈴木誠也に3ランが飛び出すなど、またしても山田の出塁から勝利につながる攻撃がスタートした。

 また、6番に下がった坂本もこの試合で3打数2安打とトンネルを脱出。チャイニーズ・タイペイ戦でも安打を記録すると、山田も1番に入ってからしばらく快音が聞こえなかったが、第3戦でようやく今大会の初安打をマークしている。

 2番に入る菊池涼介が打率5割と当たっているだけに、その前を打つ1番打者の状態はより重要になってくる。打率こそ上がらない中でも攻撃のスイッチを入れてきた山田は、このまま1番に定着してチームの起爆剤となるだろうか。


【内野手・今大会の成績】

1 山田哲人
3試合 率.125(8-1) 本0 点1
得点2 四死球2(死球0) 三振2
犠打0 犠飛0 盗塁0 失策1

2 源田壮亮
2試合 率1.000(2-2) 本0 点3
得点1 四死球0(死球0) 三振0
犠打0 犠飛0 盗塁0 失策0

3 浅村栄斗
2試合 率.286(7-2) 本0 点0
得点0 四死球1(死球0) 三振1
犠打0 犠飛0 盗塁0 失策0

4 菊池涼介
3試合 率.500(12-6) 本0 点2
得点4 四死球1(死球0) 三振0
犠打1 犠飛0 盗塁0 失策0

5 外崎修汰
1試合 率.000(1-0) 本0 点0
得点0 四死球0(死球0) 三振0
犠打0 犠飛0 盗塁0 失策0

6 坂本勇人
3試合 率.273(11-3) 本0 点0
得点2 四死球0(死球0) 三振2
犠打0 犠飛0 盗塁0 失策0

7 松田宣浩
3試合 率.182(11-2) 本0 点0
得点0 四死球0(死球0) 三振1
犠打0 犠飛0 盗塁0 失策0


◆ 丸の爆発に期待

 外野手では、何と言っても鈴木誠也が大暴れ。オープニングラウンドMVP級の活躍でチームの3連勝スタートに大きく貢献した。

 初戦のベネズエラ戦では一時逆転となる適時打に加え、相手を突き放す貴重な犠飛を記録すると、プエルトリコ戦では先制直後のチャンスで完ぺきな3ラン。チーム1号を放って2試合連続で打点をマークする。

 さらに、第3戦のチャイニーズ・タイペイ戦でも、初回に先制の適時三塁打を放つと、3回には2試合連発となる2号2ラン。3試合連続で複数打点を挙げる活躍で、ここまで通算9打点という離れ業。相手の脅威となっている。


 また、その鈴木の打点量産を支えているのが、前を打つ近藤健介だ。好調・菊池の後ろで打率こそ.250と平凡も、チームトップの6四球を獲得。きっちりとボールを選び、チャンスで後ろの鈴木につないでいる。

 三振もチームトップの5個となっているものの、これは国際大会特有の広いストライクゾーンが原因のものもある。もともと「フルカウントからボール球に手を出してアウトは最悪」という考えから、「見逃し三振は割り切ってボールを選ぶ覚悟」が大切としてきた男。その徹底した姿勢がチャンスを呼び込む“6四球”に繋がっているのだ。


 最後に、秋山翔吾が負傷離脱したセンターのポジションに入る丸佳浩にも触れておきたい。日本シリーズから時間を空けての緊急招集ということで状態が不安視されたが、チャイニーズ・タイペイ戦の6回に待望の初安打。それも打点付きの二塁打となり、良い形で日本に戻れるというのは大きい。

 上位がしっかりと得点源になっている分、下位で復調が待たれた坂本・丸の巨人コンビに少しでも兆しが見えてきているのは好材料。本拠地・東京ドームでの戦いとなるスーパーラウンドでの大爆発に期待したい。


【外野手・今大会の成績】

8 近藤健介
3試合 率.250(8-2) 本0 点1
得点3 四死球6(死球0) 三振5
犠打0 犠飛0 盗塁0 失策0

9 丸 佳浩
3試合 率.091(11-1) 本0 点2
得点1 四死球2(死球0) 三振3
犠打0 犠飛0 盗塁0 失策0

23 周東佑京
3試合 率.-(0-0) 本0 点0
得点2 四死球0(死球0) 三振0
犠打0 犠飛0 盗塁0 失策1

34 吉田正尚
2試合 率.111(9-1) 本0 点1
得点1 四死球1(死球0) 三振0
犠打0 犠飛0 盗塁0 失策0

51 鈴木誠也
3試合 率.455(11-5) 本2 点9
得点3 四死球1(死球1) 三振3
犠打0 犠飛1 盗塁2 失策0


文=尾崎直也

BASEBALL KING

最終更新:11/9(土) 11:15
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