ここから本文です

コンパクト・トリオ 英国メーカーの考えた未来 A40とアングリア、ヘラルド 後編

11/9(土) 16:50配信

AUTOCAR JAPAN

ヴィテスやスピットファイアにも積まれたエンジン

text:Andrew Robrts(アンドリュー・ロバーツ)
photo:John Bradshaw(ジョン・ブラッドショー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
 
トライアンフ・ヘラルド・クーペにはツイン・キャブレターがおごられ、サルーンも新しく整備された高速道路に対応するべく、最高速度は114km/hまで出せた。だが実際は街なかや地方道を走らせる方が性に合っていた。回転半径3.8mという小回りの良さも、市街地向きだ。

【写真】A40とアングリア、ヘラルド (35枚)

1960年になると、レイランド・コーポレーションによってスタンダード・トライアンフ社は買収される。だが1961年型のヘラルド1200に向けて、改良版の開発予算は付いた。「パフォーマンスの違いは、比較すれば、という程度のものです」 と説明するバーグマン。

「わたしのヘラルドのエンジンはリビルトしてあるので、かなりパワフルです。948はヘラルド・ファミリーの元祖で、過去のクルマとのつながりも感じられるので気に入っています。デザインは1950年代的。一張羅のスマートなスーツを纏いながら、緊縮時代に足を踏み入れた感じもします」

エンジンサウンドから、ヘラルド948のルーツを知ることができる。控えめなトライアンフのエンジンは、ヴィテスやスピットファイア、GT6にも搭載されたもの。白い盤面のスピードメーターがおしゃれだけれど。

ヘラルドとA40がコスト重視のイタリアン・デザインをまとったクルマなら、フォード・アングリアは、ハリウッドとブリティッシュ・ロックの魅力的なフュージョン、といったところだろうか。

英国フォードの新しい風

1959年、英国フォードがアメリカ・フォードの古い技術を流用していたことは誰しも知るところだったはず。その9月にロンドン・モーターショーで発表されたアングリア105Eは、英国フォードに新しい風を吹き込んだ。

逆スラントしたリアガラスが特徴的なボディ。興味を持った顧客には、雨や雪による視界不良を防ぎ、リアシートは夏の暑さからも開放されると紹介された。当時としては、かなり強い印象を抱かせるコンパクトカーだった。

105Eのエクステリアデザインは、マーキュリー・モントレーや1955年のピニンファリーナ・デザインのフィアットから触発された、と説明されていた。その美学までは取り込めていなかったと思うが。

クルマ好きはオーバースクエアのエンジン設計に注目。レーシングドライバーのシドニー・アラード
は、スーパーチャージャーで武装したアングリアに乗り、1963年のモンテカルロ・ラリーでクラス優勝を挙げている。

今回の1966年式アングリア・デラックスのオーナー、ジェイソン・バーンズも性能の高さに触れた。「一時期はSUのキャブレターに交換していましたが、今は標準仕様に戻しています。それでも充分な走りを披露します。4速MTは英国フォードとして初めての採用で、操作性も良い優れたミッションです」

年式の古いオースチンA40「ファリーナ」やトライアンフ・ヘラルド948と比べると、新しいアングリア。電動ワイパーやダッシュボードのジュークボックス用アンプなど、英国フォードとしては初採用の装備も多い。60年前、携帯レコードプレーヤーはトレンディなアイテムだったのだ。

1/3ページ

最終更新:11/9(土) 16:50
AUTOCAR JAPAN

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ