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クドカンの苦悩告白から読み解く NHK朝ドラ「エール」脚本家降板劇

11/10(日) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 一体、何があったのか。窪田正孝(31)が主演する来春スタートのNHK連続テレビ小説「エール」の脚本家・林宏司氏が降板していたことが明らかになった。林氏は「コード・ブルー―ドクターヘリ救急救命―」(フジテレビ系)シリーズや、NHK「ハゲタカ」などの人気ドラマを手掛けた著名脚本家。来年1月期から天海祐希(52)主演の連続ドラマ「トップナイフ―天才脳外科医の条件―」(日本テレビ系)を担当する。

 NHKは「制作過程の詳細は回答を控えたい」とし、林氏の降板の具体的な理由を明らかにしていないが、朝ドラの脚本家の途中降板は極めて異例。過去のケースを挙げるとすれば1974年の大河ドラマ「勝海舟」で倉本聰氏が途中降板したくらいだ。林氏とNHK制作スタッフの“確執”が一部で取り沙汰されているが、まだドラマがスタートしていない段階でそんなにバチバチになるものなのか。

 芸能ジャーナリストの芋澤貞雄氏がこう言う。

「あくまで推測ですが、林氏が執筆した脚本を、NHK側が、結果的にないがしろにしたことが降板劇につながったのかもしれません。脚本家の宮藤官九郎氏がラジオ番組で漏らした“苦悩”を聞いて、そう思いました。NHKは局としての制作スタンスにこだわるあまり、書き手の誇りを知らず知らずのうちに傷つけているのではないでしょうか」

 クドカンが出演したラジオ番組は今年4月8日に放送されたTBSラジオの「ACTION」。そこで、脚本を手掛けているNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」についてこう語った。

〈脚本ができるまでには5段階のプロセスがあるんです。白本→青本→準備稿→内容決定稿→決定稿。こうして脚本は完成するわけです。その間、何度となく時代考証などが行われます。『あの時代にこういう言葉はありませんでした』とか、『こういう文化はありませんでした』とか。明治時代の時代考証、スポーツ考証、熊本弁、浜松弁の考証とか、さまざまな考証が入ってくるのです〉 

 前出の芋澤貞雄氏がこう言う。

「考証はもちろん大切なのでしょうが、脚本家が苦労して書いた台本がNHKスタッフによって5段階も手を入れられたら原形をとどめない全然別の作品になってしまう可能性があります。駆け出しの脚本家なら甘んじて受け入れるかもしれませんが、林氏やクドカンみたいな一流の脚本家が、そうしたことをされたら怒るのも無理ありません。林氏が降板したことによって、今回は番組スタッフも脚本の執筆に加わるそうですが、最初からそうすればよかったんですよ」

 ひょっとしたら、NHKは「脚本家・林宏司」の名前が欲しかっただけかもしれない。そうだとすれば、さらに失礼な話だ。 

最終更新:11/10(日) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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