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心身をむしばむ「高齢者の孤独問題」をテクノロジーはどこまで解決できるか?

11/10(日) 6:00配信

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老後の不安といえば、お金、そして健康がまず思い浮かぶだろう。しかし老年期においては、退職、そして配偶者や兄弟姉妹、友人との死別といったライフイベントが連続して起こる。そして浮上する大きな問題が「孤独」だ。

平成30年版高齢社会白書によると、2060年には世界で65歳以上の人口比率が17.8%にまで達し、今後半世紀で高齢化が急速に進展、先進国のみならず、発展途上国においても高齢化が進むとされる。日本では2065年には人口の38.4%、国民の約2.6人に1人が高齢者となると予測されている。

高齢化に伴う課題は様々だが、近年の家族観やコミュニティの在り方の変化と相まって深刻な問題となっているのが、孤独高齢者の増加だ。

各国でその割合は危機的状況にまで深刻化しており、ヨーロッパでは英国政府が孤独高齢者問題を解決するために多額の資金を投じる計画があると報じられている。孤独状態であると、認知能力の低下だけでなく、うつ病の発症や身体機能の低下をまねくという調査結果もあり、孤独高齢者対策は医療費を抑制する上でも重要だ。

こうしたなか、テクノロジーを駆使してこの問題を解決しようという試みが始まっている。高齢者の孤独問題は、最先端のテクノロジーでどこまで解決できるのだろうか。

たばこ、肥満以上に心身をむしばむ「孤独」

孤独が私たちの心身機能に及ぼす影響は想像以上に大きい。孤独死という言葉はあらゆるメディアで目にするようになっているが、高齢者の社会的孤立は「何かあった時に発見が遅れる」以上に大きな問題だ。

うつ病や依存症などメンタルヘルスに悪い影響を及ぼすことは想像に難くないが、それだけでなく心疾患やがんなど多くの疾患のリスクをあげると言われている。喫煙や肥満が健康に悪いことは周知の事実だが、孤独はそれに匹敵、いやそれ以上のリスクファクターとして、公衆衛生分野で注目を集めているのだ。

病気だけではない。身体機能の低下や、日常生活で必要な動作の能力が低下することもこれまでの研究で示唆されており、高齢者の孤独は医療・介護費用の増大という、世界各国が抱える問題をさらに悪化させている。

高齢になるにつれ、死別や退職で人との関わりが減るものではあるが、日本においてそれに拍車をかけているのが伝統的な家族構造の変化だ。2世帯、3世帯で暮らす人は次第に少なくなり、生涯未婚率も上がり続けている。結果、今後高齢者単身世帯はますます増加する。

独居の場合、地域コミュニティや友人との交流が主な人と接する機会となるが、特に日本では、長時間労働や性別による役割分担がはっきりしているため、男性が現役時代に会社中心の生活になりがちであり、退職後に新しい人間関係を築きづらい。配偶者に先立たれた場合、一気に弱る男性が多いというのも無理はないことだろう。現に日本では孤独死の80%以上は男性だとされる。

日本において、総務省は「社会的孤立」を、こうした「家族や地域社会との交流が客観的にみて著しく乏しい状態」と定義し、その対策が急務であるとして、定期巡回や居場所づくりといった従来の対策を続けると同時に、ICTの導入に支援を行うとしている。

イギリスにおいても、国営医療サービスNHSは、高齢者の孤独への対策のひとつとして、ローカルコミュニティへの参加や生涯学習の機会の利用に加え、「Learn to love computers」を掲げ、高齢者にSNSやインターネット通話サービスを使えるようになることを勧めると同時に、インターネットを使うスキルを学べる機会を設けている。

このようなSNSやスカイプといった従来のサービスに加えて、数多くの企業や研究者が最先端のテクノロジーを駆使して、孤独高齢者という課題に挑んでいる。

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最終更新:11/10(日) 6:00
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