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皇宮警察まばたきもせず 即位行事を支える知られない存在

11/10(日) 10:00配信

京都新聞

 11月10日、皇居・宮殿から国会議事堂前などを経由して赤坂御所へと向かう「祝賀御列の儀」。天皇陛下の即位を祝う人たちが沿道に詰めかける。皇居などで微動もせずにパレードや周囲に目を配る、袖のモールが華やかな制服の人たちは、皇宮警察に所属する皇宮護衛官だ。一連の即位関連行事では、皇宮警察がさまざまな場面で登場する。14日の「大嘗祭」は秘儀とされ、国民の目にその全容は知られないが、弓矢を背負い、古式ゆかしい姿の「衛門」として、任に当たる皇宮護衛官もいる。

迷子も府警に通報 「皇宮警察」とは

 けん銃を携帯し、逮捕権や捜査権を持つのは同じでも、皇宮警察の存在はあまり知られていない。担当するのは東京の皇居や赤坂御用地、栃木県の那須御用邸、奈良の正倉院など皇室関係の1都1府4県の11カ所のみ。都道府県警察とは別採用、国家公務員の「皇宮護衛官」だ。定員は約900人。
 京都市上京区の皇宮警察京都護衛署は京都御所や仙洞御所など皇室関連施設のみを管轄し、周囲の京都御苑内でトラブルがあれば、迷子も含めて、京都府警に通報する。

「血が出るほど上唇かんだ」平成の即位礼の記憶

 「直立不動で目線を正面に保ち、両陛下の車列をお見送りした。大切な行事に失敗してはいけないと、上唇を血が出るほどかみ、気を保った」。平成の即位の礼と大嘗祭(1990年)では、全国から警察官ら約3万7千人が動員され、皇宮護衛官も加わって厳戒態勢が敷かれた。即位式後にパレードへ向かう両陛下の車列を皇居の二重橋で警護し見送った形田(かただ)勝・皇宮巡査部長(48)は緊張の時を振り返る。
 「顔を動かしてはならないので、ほんの一瞬だったが、今でも忘れられない光景」。1メートルごとに並んだ皇宮護衛官約50人と敬礼し、車列を見送った。
 車列を見送る時は不審者への警戒のため、5分程度であればまばたきを全くしないでいられる訓練を受けているという。
 形田巡査部長は前回の即位の礼があった1990年当時、皇居内にある皇宮警察学校へ入ったばかり。皇宮警察学校は全寮制で、和歌や茶道、華道の授業、騎馬訓練も必須。皇室の歴史を学ぶ講義や重要建物を火災から守る防火訓練、敬礼の点検教練、逮捕術など術科などに励んでいた。
 警察学校の学生までも召集されるのは異例だった。「私たちも警備ローテーションに入るよう言われ、誇らしさと不安が入り交じった気持ちでした」と、形田巡査部長は話す。
 30年前は即位の礼や大嘗祭を前に、過激派ゲリラによる皇族や寺社を狙った事件が多発していた。京都御所でも1990年1月、高御座(たかみくら)を狙ったとみられる爆破事件が発生。全国的にも警戒が強まっていた。

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最終更新:11/10(日) 13:26
京都新聞

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