ここから本文です

実録・認知症の父の免許返納 失効手続きで病院検査へ 説得し続けたアラフィフ娘の思い

11/10(日) 20:11配信

Hint-Pot

 認知症と診断された父。免許の返納をさせようとしたのですが、「俺から仕事を奪う気か!」「俺をいじめて楽しいのか!」と、父本人は大反対。ほとほと困っていたときに警察に相談し、免許の返納ではなく「失効」をする手続きがあることを知りました。前回は、失効手続きに入るところまでをご報告させていただきましたが、今回はその続編をお届けします。

【画像】運転免許返納は各都道府県警の運転適性相談窓口へ 連絡先一覧

指定の病院へ父を連れていくと、担当の警察官の方が

 10月中旬。警察庁からあらかじめ指定があった、東京都内にある病院へ父を連れていくことになりました。検査の時間は朝の9時から。早朝から夫の運転する車で実家に向かい、父に着替えをさせて外出。高速道路を使い病院へ向かいました。

 久しぶりの外出に、うれしそうな笑顔を浮かべる父。

「ああ、高速道路を走るなんて久しぶりだなぁ」
「あの建物、昔はもっと違う形だったんじゃないか?」

 父の記憶の引き出しが開きます。こうやって話しをする父は、昔のままの父です。5分後にまったく同じ言葉を繰り返すことを除けば……。

 到着した病院の受付で、担当の警察官の方と合流。受付だけしてくださるのかと思いきや、その後のお話を聞いてびっくり。なんと私たちのために、わざわざ付き添ってくれるというのです。

「今日の検査は、半日くらいかかると思います。最後まで僕が立ち会いますから、お父さんも、お嬢さんも、あまり気負わずにいてくださいね」

 そんな優しい言葉をかけていただき、ホッとしたのを覚えています。

いよいよ検査がスタート 「娘は大げさなんですよ、本当に」と父

 検査は、精神科の医師による問診からスタート。父へ問診を行い、気になった部分は私に確認の質問が投げかけられました。

「お父さん。あなた自身は、ボケていると感じていますか?」
「私はね。記憶力が悪くなった程度で、自分のどこかが悪いなんて、思ってもいないんですよ」
「娘さんは、そうは思っていないみたいですけどね」
「娘は大げさなんですよ、本当に」

そんな会話が繰り広げられ、苦笑したのを覚えています。

 続いて、「MMSE(ミニメンタルステート検査)」と「長谷川式簡易知能評価スケール」というテストが行われました。いずれも、父とカウンセラーのふたりきりで行われるので、どのようにテストが行われたかは実際に見ることはできませんでしたが、「MMSE」というのは10~15分程度をかけて、認知機能の障害があるかを調べる検査で、いくつかの単語を繰り返して言ったり、指示された通りの図形を描く、といった、ごく簡単な問題で「判断能力」を検査するようです。

「長谷川式簡易知能評価スケール」というのは、認知症の可能性があるかどうかを調べる問診で、「年齢はいくつですか?」「今日は何月何日、何曜日ですか?」といった質問から、5つの品物を見て、その名前を記憶できるかどうか、といったことを調べるのだそうです。

 ふたつのテストを終えて出てきた父は、苦笑しながらこう吐き捨てました。

「俺をバカだと思っているのか。くだらない質問しやがって」

 同行警察官の方によれば、このふたつのテストを行った際、カンカンに怒って出てくる人が少なくないそうです。

1/3ページ

最終更新:11/10(日) 20:11
Hint-Pot

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事