ここから本文です

巨人退団のマシソンはカナダ代表の東京五輪後、人工膝の大手術を決断「僕はもう一生、走れなくなる。でも必要な手術だから…」

2019/11/10(日) 12:25配信

中日スポーツ

 レギュラーシーズンも大詰めに差しかかった9月のある日。巨人で8年間、プレーしたスコット・マシソン投手に「さよなら」を言うために東京ドームに足を運んだ。

 以前巨人でプレーするのは、たぶん、最後とおっしゃってました。それは、カナダ代表に専念するという意味?

 「違う。そうじゃない。肉体的に限界なんだよ。ヒザが…」

 えっ!? ヒザがどうなんですか?

 「このことは、日本シリーズ後の(カナダ代表の)プレミア12が終わってから話したい。書くならその後にしてほしい」

 ただ、今後、会う機会があるかどうかも分からないので…。

 「そうか。分かった。では、話そう。左膝が限界なんだ。投げる度に大量の水を抜いてる状態なんだ」

 えっ!? そんなに悪いんですか。見た感じ、足を引きずる様子も見られないですが…

 「見せないようにふるまってるだけさ。実は来年の東京五輪後にフェイクニー(人工膝)にする手術を受ける予定なんだ。大きな手術になりそうなんだよ」

 人工膝ですか? 半月板とか靱帯(じんたい)とか、膝のサラを人工的なものに?

 「違う。whole knee(全膝)だよ。膝、全部を人工的なもの取り換えるんだ。これをやると、ボクはもう一生、走れなくなる。でも、必要な手術だから」

 東京五輪までは、膝の周囲の筋肉を強化したり、水を抜いたりの応急処置でやっていくという。

 「なんとか、だましだましやるしかないよ」

 想像するに膝の手術をしなければ、走るどころか、歩けなくなる。車いす生活になるということなのだろうか。

 マシソンには、これまでもいろいろな話を聞かせてもらった。フロリダで所有する広大な森で、ワニ狩りなどハンティングを楽しんでいること。私はオフに招待されたが、ビビってフロリダ行きはいまだに実現していない。幼いころ、実の母が家族を去り、弟と二人、愛情深い父親に育てられ、自分もその父親のようなダディになりたいと思っていることも熱く語ってくれた。どれも、ありきたりな話でなく、時に愉快で、時に切ないプライベートな話。すべて真摯(しんし)な態度で接してくれた。

 来年の東京五輪で完全燃焼し、現役引退後もハッピーな人生であってほしい。話を終え、クルリと背中を向けた背番号20に私は祈りを捧げた。(竹下陽二)

最終更新:2019/11/10(日) 18:05
中日スポーツ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事