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首里城の再建費用「甘く見ても倍かかる」 沖縄県からの官邸要請に批判も

11/10(日) 18:10配信

沖縄タイムス

 [失われた象徴 首里城炎上]再建の予算措置

 火災により正殿など9施設を焼失した首里城。沖縄総合事務局によると、正殿や南殿、北殿などは国が約73億円かけ復元整備した。材料費や大工職人の人件費などの値上がりにより、再建の費用は「甘く見ても倍はかかるだろう」(政府関係者)との見立てだ。

【戦前の写真入手】「沖縄神社」の拝殿になっていた首里城

 さらに、大量の木材や赤瓦の調達、高度な技術を持った職人の確保など課題は山積している。玉城デニー知事は国に復帰50年を迎える2022年までの計画策定を要望しているが、課題も多い。

 「財政措置も含め、やれることは全てやる」。火災から一夜明けた1日、首相官邸で再建支援を求めた知事に、菅義偉官房長官は全面支援する考えを示した。公明党も官邸に支援を申し入れるなど動きは速い。

 首里城跡地は、国営沖縄記念公園首里城地区として国が、周辺の城壁は県営として県が整備してきた。今回焼失した正殿などは国営公園内にあり、再建は「所有権を持つ国が責任を持ってやる」(衛藤晟一沖縄担当相)との立場だ。

 首里城正殿などの有料施設は年間2940万円の火災保険に加入している。支払限度額は首里城と海洋博公園の沖縄美ら海水族館などを含めて70億円だが、そこから首里城への保険補償額は現時点で未定だ。

 ただ、自民党関係者は「政府からすればさして大きな額ではない」と冷静だ。那覇空港第2滑走路増設の総事業費は約1993億円で、政府は毎年約330億円を計上してきた。

 関係者は「150億円でも10年で年間15億円。沖縄関係予算が毎年15億円膨らむだけだ」と予算措置のハードルは高くないと指摘。「国としては、県と手を携えてやる姿を見せる方が、県民に寄り添う姿を見せることになる」と語る。

 一方、会員制交流サイト(SNS)上では、名護市辺野古の新基地建設に反対しながら首里城再建では財政支援を求める県の姿勢に疑問の声も上がる。

 政府内には県の要請に応じれば「県民に政府の姿勢を分かってもらえるのでは」と期待の声がある。県関係者の一人は「知事は容易に官邸へ行くべきではなかったのでは」と冷ややかだ。

 8日、県議会であった各派代表者会で當間盛夫県議(維新)は、国から県への管理移管は県議会も全会一致で決めていることに言及し自省を込めてこう指摘した。「火災の責任は県にも県議会にもある。にもかかわらず、すぐに再建を国に要請するのは違うのではないか」(政経部・大野亨恭、屋宜菜々子、東京報道部・大城大輔)

最終更新:11/11(月) 14:20
沖縄タイムス

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