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カメラ売り場をどかして酒の試飲カウンターを設置したビックカメラの狙い

2019/11/11(月) 6:15配信

ITmedia ビジネスオンライン

なぜ酒の販売に力を入れるのか

 そもそも、なぜビックカメラはここまで気合の入った試飲カウンターを設置するほど酒の販売に注力するのか。

 狙いの1つはお客の来店頻度を高めることだ。家電量販店の主力商品である家電やスマートフォンなどは、頻繁に買い替えるものではない。しかし、日々消費する酒を購入するために来店してもらえれば、家電のついで買いが期待できる。ビックカメラは「専門店の集合体」を標ぼうしており、酒を扱う「ビック酒販」や医薬品・日用品などを扱う「ビックドラッグ」といった子会社で専門知識を持つ店員を育成している。店内で、酒以外にも日常的に使う商品の品ぞろえを強化する狙いだ。

 女性客も取り込もうとしている。広報担当者によると、ビックカメラの客層は男性が7割、女性が3割だという。女性客に気軽に来店してもらうには、酒が強力な武器になる。

 家電製品との相乗効果も狙う。新宿西口店の酒売り場を見てみると、普通のリカーショップには置いてないような商品が酒やつまみと一緒に陳列されていることに気付く。例えば、焼酎コーナーには乾湿両用ハンディクリーナーが置いてある。商品のPOPには「こぼしてしまったお酒やジュースも吸引可能」「充電式なので車の掃除にも」と書いてあり「こんなのがあると便利だな」と思わせる仕掛けになっている。また、ビールやチューハイのコーナーには大風量ドライヤーがある。POPには「飲み会翌日の時間のない朝に」「飲み会の多いシーズンにおすすめ」とある。さらに、ワインのコーナーには10万円以上するワインセラーがずらりと並んでいる。試飲カウンターの内側にある炭酸水メーカーを使って、ハイボールも提供する。お客は、炭酸水メーカーを実際に使う様子を間近で見ることが可能だ。

 個人向け商品だけでなく、事業者向けの商品もある。例えば、期間限定で販売している日本酒の瓶が電子看板に映されているが、よく見ると値札が付いている。一般客に酒の情報を伝えるとともに、飲食店関係者には「レストランのメニューや店舗のPOPに使えます」とアピールしているのだ。

 酒販担当の大宮氏は「ここで酒以外の商品に触れることで、上のフロアにも移動していただくきっかけになれば」と語る。

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最終更新:2019/11/11(月) 10:37
ITmedia ビジネスオンライン

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