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「売る人」がいないJ-REIT 好循環の中、リスクはどこに?

11/11(月) 7:05配信

ITmedia ビジネスオンライン

 国内の不動産に投資するJ-REIT(不動産投資信託)が好調だ。2004年からの東証REIT指数を見ると過去最高値。配当利回りも3%台を維持している。この現状をどう見たらいいのか? またそこにはどんなリスクがあるのか。

東証REIT指数(分配金込み)の推移(三井住友DS資料より)



 三井住友DSアセットマネジメントでREITを担当する、秋山悦朗シニアファンドマネージャーに聞いた。

「売る人」がいないJ-REIT

 秋山氏は日本をはじめアジア各国のREITを組み合わせた「Jリート・アジアミックス・オープン」のファンドマネージャーを務める。組入資産の約半分を占めるJ-REITだけでなく、香港、シンガポール、オーストラリアのREITも好調で、基準価格は上昇を続けてきた。





 そんな中、現状の好調具合を秋山氏は、「いま好調だが、活況というとちょっと違う。現在は極端に売る人がいない。通常、これだけ上がれば、利益確定売りがあるが、ほとんどいない」と評価する(以下、カッコ内は秋山氏の発言)。



 背景にあるのは、国債をはじめ各資産の値上がりによる利回りの低下だ。より高い利回りを求めてさまざまな投資商品を買う、いわゆるイールドハンターが買い支えている。この需給のアンバランスは、J-REITでも18年の秋口くらいから続いているという。



 ファンダメンタルズでいうと、17年も18年も19年も大きく変わっていない。世界的にREITは好調だった。ところが、17年はJ-REITだけがマイナスだった。これは、「金融庁が投信の毎月分配を問題視したことがある。J-REITは毎月分配が多かったので、資金が入らなかった。販売会社が売りにくく、資金流出につながった」というのが理由だ。

トレンドができると1年は続く

 一方で、17年のタイミングで「好調になる芽が出てきた」と秋山氏。苦しいタイミングでJ-REIT各社は、自社株買いや資産入れ替え、株式分割などを行ったり、フィーの水準も業績連動型に変えたりしてきた。



 こうした取り組みは18年に実を結ぶ。毎月分配投信問題も騒ぎが収まり、資金流出も止まった。市場が見直された結果、J-REITは好循環に入る。資本調達がやりやすくなり、増資して物件を買い、結果分配金が伸びてきた。



 「J-REITはビジネスモデルが単純なので、いったん悪循環に入ると悪循環が続くが、好循環に入ると好循環が続く。少なくとも一回トレンドができると1年くらいは続く」

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最終更新:11/11(月) 7:05
ITmedia ビジネスオンライン

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