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日本国内の成功体験は中国では通用しない、中国での効果的なオンライン施策を専門家に聞いてきた

11/11(月) 13:32配信

トラベルボイス

世界最大のEC市場と言われる中国。今年も11月11日には中国最大のECショッピングの祭典「独身の日」をむかえる。アリババでは参加ユーザー5億人超を予測するなど巨大市場に目が離せない。

中国のEC市場には、多くのビジネスチャンスが眠っており、日本企業もその潜在需要にアクセスを狙うが、中国の商慣習、消費者の行動、ECの仕組みなど市場環境が日本と異なるため、効果的なアプローチが難しいのも現実だ。その橋渡し役を務めるのが上海をベースとする第一秒(D1M)電商科技。2012年に設立されたオンラインリテールサービス会社だ。EC市場における日本と中国とのギャップとは?日本のブランドが中国のEC市場に入り込むために必要なこととは?同社パートナーシップ担当ディレクターの戚せき文(せき・れいぶん)氏に聞いてみた。

日中で異なるEC市場のビジネス環境

「日中のオンラインリテール環境はかなり違う」。

戚氏はそう話す。日本や欧米のEC市場では、自社ウェブサイト上で自社商品を販売するか、楽天、Yahoo!ショッピング、アマゾンなどのモール型ECサイトを活用するのが一般的。楽天やYahoo!ショッピングでは、各ブランドが「テナント」として出店。アマゾンではブランドがそのマーケットプレイスに商品を「出品」する。

一方、中国ではサプライヤーが直営店を出すプラットフォーム型が主流。「中国にはプレイヤーがあまりにも多く、オンラインリテールの施策も山ほどある」(戚氏)ため、サプライヤーは効率的にリテールを展開するために、トラフィックの多いプラットフォームに出店する。コーポレートサイトももちろん存在するが、そのトラフィックは大手プラットフォームの10分の1以下の場合もあるという。

また、アプリ制作を望む海外企業は多いが、中国人消費者にアプリをダウンロードさせること自体ハードルが高いという。中国人は最初の消費行動としてプラットフォームに買い物に行く。たとえば、WeChatひとつをダウンロードしておけば、スーバーアプリ化したWeChat上であらゆることがワンストップで可能。戚氏は、そうした動きは消費者にとって習慣化していると話す。

中国で最も影響力のあるBtoCのECサイトのひとつは、アリババグループの「Tmall(天猫)」だ。このプラットフォームに各企業が直営の旗艦店を出店する。しかし、誰でも出店できるわけではなく、「いきなりアリババとの取引は相当ハードルが高い」という。偽物や非正規品を排除し、本物志向の中国人ユーザーに期待に応えるため、出店には厳格な審査がある。逆に言うと、Tmallへの出店自体が、その企業の中国における強力なブランド力にもなっている。

そこで重要な役割を果たすのが、D1MのようなTmallパートナーの存在だ。企業やブランド側から見ると、D1MがTmallへの足がかりになる。D1Mは、Tmallと企業の間に入り、Tmall上にページを作り、そこに製品を掲載するという基本的なオペレーションから、広告のリスティングやコンテンツマーケティング、あるいはサイト内でのメディアバインドなどのサービスをワンストップで提供している。

こうしたTmallパートナーは1000社ほどあるという。それぞれ得意分野で棲み分けしており、D1Mが手掛ける領域は、ラグジュアリーブランド、ビューティー/パーソナルケア、ライフスタイル、ファストファッションの4つ。Tmallパートナーとしてのビジネスは一部で、総合的なオンラインリテールサービスを展開している。戚氏は「ブランド側にとって最善のソリューションを提案している。ブランドによってはWeChatがいいところもあれば、中国でのコーポレートサイト立ち上げが有効な場合もある」と話す。

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最終更新:11/11(月) 13:32
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