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安倍政権下、キャッチボールをやめた最高裁 「1票の格差」訴訟はどうして重要なのか(下)

11/12(火) 11:12配信

47NEWS

 7月の参院選(選挙区)を巡る「1票の格差」訴訟は12日までに、12高裁(選挙の効力に関する訴訟は高裁が一審)で判決が言い渡され「違憲状態」2件、「合憲」10件となっている。今回の最大格差は最高裁で「合憲」とされた前回参院選の3・08倍を下回る3・00倍であり、予想通り、最高裁の格差訴訟に対する姿勢の変化を反映している。(下)では、その最高裁の変化を中心に考察し、今回の訴訟の行方を探りつつ、1票の格差訴訟がなぜ重要なのかをまとめたい。(共同通信編集委員=竹田昌弘)

 衆院選3回連続、参院選も2回続けて「違憲状態」 

 1962年から続く一連の格差訴訟では、最高裁が「違憲」や「違憲状態」の判決を出し、国会は「〇増〇減」などの定数是正で格差縮小を図るパターンが繰り返されてきた。衆院選は最大格差が2倍台となった93年の選挙以降、参院選も5倍前後で推移した95年の選挙以降、「合憲」の判断が続いた。 

 しかし、最高裁は民主党へ政権交代した2009年の衆院選に対する11年3月の大法廷判決以降、2・5倍を下回っている衆院選で3回連続、参院選も5倍前後の2回続けて「違憲状態」の判断を下す。その上で国会に対し、格差が縮小しないのは、小選挙区制の衆院選では、各都道府県にあらかじめ定数1を配分する「1人別枠方式」がネックであり、参院選は人口差が大きい都道府県を選挙区の単位としていることが原因だとして、それぞれの抜本的な見直しを求めた。

 激変緩和の「1人別枠方式」、合理性失う 

 転機となった11年3月の最高裁判決を詳述すると、1994年に小選挙区比例代表並立制を衆院選に導入した際、小選挙区の人口格差は2倍未満を基本とすると、衆院議員選挙区画定審議会設置法(区画審設置法)に定める一方、人口の少ない県で定数が急激、大幅に削減されないよう、区画審設置法には、1人別枠方式も盛り込まれた。ただこれは激変緩和の措置であり、時間的な限界がある。最初の選挙が96年に実施され、10年を経過していない2000年と05年の選挙では、1人別枠方式で格差2倍未満が実現しなかったとしても、合理性があったということができる。だが10年を経た09年の選挙では、1人別枠方式の合理性は失われ、違憲状態に至っていたと考えられる。 

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最終更新:11/13(水) 12:53
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