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飲み食い放題で「上限3000円」の「定楽屋」が増殖中 料理や接客で“手抜き”してないのにもうかるのか?

11/12(火) 6:15配信

ITmedia ビジネスオンライン

 食べ放題・飲み放題のお店でたらふく飲み食いした後に「本当に元が取れているだろうか?」――この疑念を誰もが抱くはずだ。

【画像】定楽屋のルール・店内の様子・料理を見る

 しかし、例えば3000円を上限として設定し、それ以上の料金を取らない飲食店があったらどうだろう。おなかをすかせて爆食すれば、コスト計算に長けたお店にひと泡吹かせられそうではないか?

 そうした顧客がきちんと元を取るのも可能な「3000円(税抜)を超えた分のお会計は頂きません!」という居酒屋が全国的に増殖しつある。その名も「定楽屋(ていがくや)」という店だ。

 定楽屋の店の入口には、名物の長いレシートが何枚も貼ってある。1人当たり5000円、6000円、場合によってはそれ以上飲食しても、本当に1人当たりの会計が3000円になっていることが分かる。

 1号店は2018年2月、愛媛県松山市にオープン。翌3月には、名古屋市と熊本市に2号店と3号店を矢継ぎ早に出店した。1号店の反響が思ったより大きかったため、迅速な出店となった。その後も着々と店舗を増やし、福岡市、鹿児島市、札幌市、京都市など、全国主要都市に早くも12店を展開している(11月11日時点)。

 そのうち3店がFC(フランチャイズ)の店舗となっており、今後はFC強化も視野に入れて拡大していく方針だ。家賃の高さがネックになっているせいか、首都圏には残念ながらまだ店舗がない。しかし、金山のような名古屋でも有数の繁華街で、チェーンでトップレベルの売り上げを誇る店舗が成立しているので、そう遠くない将来には出店してくるだろう。

 果たして、上限が3000円の居酒屋というユニークなビジネスモデルは、持続可能なのだろうか。検証してみたい。

お通し代や席料は取らない

 10月の消費増税後の飲食店(特に居酒屋業界)では、30分飲み放題299円(「やきとり○金(まるきん)」など)、ハイボール1杯50円(「それゆけ!鶏ヤロー!」など)のように、お酒の値段をリミットまで下げて、集客を図る傾向が強まっている。

 これらは、コストを抑えてはしご酒をしようとする人にとっては良い。しかし、じっくりと腰を据えて、テーブルに並べきれないほどの料理を眺めつつ、豪遊気分(もしくは多幸感)を味わうには、もっと別のシステムが待望されていた。

 そこで考案されたのが、定楽屋による、上限3000円のビジネスモデルである。時間制限は2時間となっており、1人当たり500円で30分の延長が可能。全体の2割ほどの顧客が延長する。

 定楽屋では3000円まではしっかりと通常の料金を取る。その意味で、全く普通の居酒屋だ。しかも、お得なことに、お通し代や席料を取らない。

 ところが顧客の会計が3000円を超えると、テーブルバイキングへと切り替わり、それ以上いくら飲み食いしても3000円以上(消費税を除く)取られることはない。つまり、3300円の食べ放題となるのだ。

 ただし、食べ残しや飲み残しがあった場合には、“定額中”であっても正規の料金を請求されるので、注意が必要。食品ロスを極力出さない「もったいない精神」が貫かれたシステムでもある。

 このビジネスモデルは、携帯電話のパケットシステムと似ている。一定の金額以下ならばかかった分だけの値段にすればよく、顧客から見ると「分かりやすくて親切」という考え方が根底にある。

 しかし、飲み代に3000円も出せない場合もあるだろう。そういう顧客には“午後8時以降、飲み放題上限1000円”という飲み放題に特化したプランもある。フードは別途、通常料金で注文する。2軒目、3軒目として、もしくは1軒目に行く前に軽く飲む「0次会」でこのプランを活用する人も多い。

 また、“午後8時以降、飲み放題付き2000円、料理4品食べ放題”というコースもある。これは結婚式の2次会などを想定。飲み放題にプラスして、枝豆または塩ダレキャベツ、自家製から揚げ、ポテト(味4種類)が食べ放題で、1人1個ずつ雪見大福が提供される。

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最終更新:11/12(火) 7:07
ITmedia ビジネスオンライン

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