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これからの野球指導者はスポーツ科学をどう活用すべきか?

11/12(火) 11:10配信

Baseball Geeks

スポーツに科学がなぜ必要なのか?

科学というものは、あることをいう場合に、それがほんとうか、ほんとうでないかをいう学問である。つまり、いろいろな人が同じことを調べてみて、それがいつでも同じ結果になる場合に、「ほんとうである」といえるのである
ー中谷宇吉郎「科学の方法」岩波新書、1958.

本当かどうかを確かめるには、対象となる現象を繰り返して調べる必要があります。再現が不可能となれば、繰り返し調べることができないので、本当かどうかを調べることができません。

ある高校球児が冬にウエイトレーニングを取り入れ、打球速度がトレーニング前よりも上がったとします。この事実から「ウエイトトレーニングをしたから打球速度が上がった」と断言してしまう気もわかりますが、この結果だけでは不十分です。
毎日何かしら練習していれば、ほっといても打球速度は上がるかもしれません。また、成長期の子どもであれば、練習をしていなくても上がる可能性はあります。つまり、トレーニングをしなかった場合と比較しなければ、効果があるかどうかはわからないのです。
しかし、この高校球児は一度トレーニングをしてしまったからには、トレーニングをしていない元の状態に戻ることはできません。繰り返して調べることができないのです。

この再現可能性の問題を科学ではどう扱っているかというと、まずいろいろな状況や環境の選手をランダムに抽出し、2つのグループに分けます。ひとつのグループにはトレーニングをさせ、もう一方には普段通りの練習をしてもらいます。それぞれのグループにどのような打球速度の変化があったのか比較することで効果を検証します。

このように本当かどうかを確かめるには科学の方法に則ったやり方で検証しなくてはなりません。でも、人を対象とした研究は、同じ状況を再現することが不可能であるため、断言ができない部分が多く、結果が限定的でどうしても回りくどくなってしまうのです。

「走り込みをしたらからだにキレが出た」とプロ野球で3000本以上の安打を放った打者が自身のコンディショニングについて語っていたとします。「これだけの成績の選手が言っていることなのだから真実に違いない」と思ってしまいがちです。でも、先ほどの高校球児と同じように再現可能な状況を設定できていませんので、このような主観的表現は、検証そのものができません。ですから、このプロ野球選手の言っていることは本当かもしれないし、実はデタラメかもしれないのです。

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最終更新:11/12(火) 11:14
Baseball Geeks

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