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「エンドレス万歳」だけじゃない。天皇陛下即位の国民祭典、研究者の持った3つの違和感

11/12(火) 17:00配信

BuzzFeed Japan

11月9日、東京・皇居前広場で開かれた天皇陛下の即位を祝う「国民祭典」。終盤の「エンドレス万歳」でも注目された。政府ではなく民間の組織が主催したこのイベントを、研究者はどう見たのか。【BuzzFeed Japan/籏智 広太】

「メディアで抜粋される国民祭典を見ると、おかしなシーンは削られて嵐だけのイメージになってしまいますが、全体で見ると不思議になるということは、忘れてはいけないと思っています。綺麗なところだけをまとめてしまうと、危ない」

近現代史研究者の辻田真佐憲さんは、BuzzFeed Newsの取材にこう語る。辻田さんが今回のイベントで違和感を覚えたのは、以下の3点だという。

・神話「古事記」と今上天皇をつなげた文脈
・嵐の歌った「Ray of Water」の歌詞
・計48唱におよんだ最後の万歳三唱

いったい、どういうことなのか。こうした違和感を紐解くと、見えてくるものがある。

本当に”国民”なのか?

「今回のイベントは、実際は保守色が強いイベントです。国民という呼び方には違和感を覚えます。主催を曖昧にすることで、ごまかされている」

辻田さんの指摘する通り、今回のイベントは「国民祭典」という名前で安倍晋三首相も出席。さらにNHKなどの中継もあったため公的イベントのようにも捉えられるが、政府は関与していない。

主催しているのは「天皇陛下御即位奉祝委員会」と超党派の議員連盟。この委員会は「日本経済団体連合会」「日本商工会議所」「日本会議」の3団体が中心となっている組織だ。

日本会議は、首相に近いとされる日本最大の保守団体。会長の田久保忠衛氏は、杏林大学名誉教授の名前で奉祝委員会の代表世話人に名を連ねている。

憲法改正による自衛隊の国軍化、夫婦別姓への反対、女性宮家の創設への反対などの保守的な論調で知られる。

日本会議名誉会長の三好達氏(元最高裁判所長官)は奉祝委員会の顧問に、同副会長の田中恆清氏(神社本庁総長)は代表世話人に、同理事長の網谷道弘氏(明治神宮崇敬会理事長)は事務総長についている。

委員会のメンバーにはそのほか、学術経験者や経済関係者の名前があるため、一見しても「色」はわからないが、こうしてみると、保守色がかなり強い構成になっていることがわかる。

天皇皇后両陛下が出席するかたちでの、こうした「国民祭典」が開かれるのは、いまの上皇陛下の即位10年(1999年)、20年(2009年)に続き、今回で3回目。

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最終更新:11/12(火) 17:25
BuzzFeed Japan

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