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『ターミネーター:ニュー・フェイト』でT-800役に復活!A・シュワルツェネッガーにLAで直撃インタビュー

11/12(火) 20:00配信

Movie Walker

ジェームズ・キャメロンが監督と脚本を手掛けたヒット作『ターミネーター』(84)と、『ターミネーター2』(91)の続編となる『ターミネーター:ニュー・フェイト』が公開中だ。本作は、シリーズを成功に導いた築いたキャメロン監督に加え、T-800を演じたアーノルド・シュワルツェネッガーと、サラ・コナー役のリンダ・ハミルトンの3人が約28年ぶりに再集結したことも大きな話題。

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キャメロン監督の製作総指揮のもと、本作のメガホンを握るのは『デッドプール』(16)のティム・ミラー。これまでにキャメロン監督が直接的には関与していないシリーズの続編や、リブート版は製作されてきた。しかし本作は、それらの作品とはまったく別で、サラ・コナーが死んでしまった『ターミネーター3』のストーリーも完全に破棄した『T2』直結の続編となる。一度は回避したと思われていた“審判の日”の後に待ち受ける、人類と地球の未来をかけた壮絶な戦いが描きだされる。

Movie Walkerでは、今年で72歳になったアーノルド・シュワルツェネッガーに、『ターミネーター:ニュー・フェイト』撮影秘話はもちろん、ハリウッドで長年トップを走ってきた彼自身の人生について、ロサンゼルスでインタビューを行った。

■ 「本作ではターミネーターの“起源”をもう少し知ることができる」

――本作への出演を決意したきっかけを教えてください。

アーノルド・シュワルツェネッガー(以下、シュワルツェネッガー)「本作は『ターミネーター』シリーズに加わるべきすばらしい作品だと思ったからだよ。キャメロン監督にターミネーターの権利が戻ったことも、きっかけの一つだ。彼は『ターミネーター』シリーズをこよなく愛していて、自らの手でオリジナルキャストを再集結させたいと思ったようだ。私もリンダとキャメロンとでチームを再結成して、一緒に新たなストーリーを作り上げたいと思ったんだ」

――『T2』でT-800は死にましたが、今回はどのような役割で登場されるのでしょう。

シュワルツェネッガー「私の役は以前と同様T-800、モデル101 サイバネティック生命体の役柄です。T-800は第1作でも死んだが、説明もなく第2作で復帰しているだろう?だから今回も同じさ、なんたってマシンなのだからね(笑)。キャメロン監督は、以前からターミネーターが製造される工場のシーンを撮影するアイデアを持っていた。実は『ターミネーター2』のティーザー・トレイラーを撮影した時のメイキング映像と、『ターミネーター3』 でも少しだけ触れたのだが、本作ではターミネーターの“起源”をもう少し知ることができるよ」

――今回の出演で大変だったこと、苦労したことはありますか?

シュワルツェネッガー「製作面で苦労していたのは、キャメロンとティム・ミラー監督だね。ミラー監督はすべての人に対して包摂的で優しく、とてもおもしろい人なんだよ。でも自分には非常に厳しく、カットした後に、『あんなショットじゃダメだ!』ってブツブツ言いながら自分を責めていたよ(笑)。私は俳優としてセリフを覚えて、身体トレーニングをした。今回の役作りのために、アクションの練習と銃を使ったスタントのトレーニング・メニューを作ったんだ。ミスター・オリンピアのように、身体的な目標を達成するための、特別なトレーニングだよ」

――撮影開始の3か月前に心臓の手術されたのですよね、身体的な負担はありませんでしたか?

シュワルツェネッガー「そうなんだ。でもゴールができて逆に良かったと思っている。本来は短時間で終わる簡単な手術だったんだが、術中に合併症が発生してしまい、術後18時間後に目が覚めたのを覚えている。だから映画の撮影の開始日までに、身体の準備が完全に整うため、プログラムを強化した。短期で退院し、ウォーキングからはじまるリハビリをしたよ。強い意志と目的意識さえあれば、身体はどうにか追いついてくれるものなんだ。この映画への出演は、術後の私に回復するための目的を与えてくれたんだ」

■ 「映画は、もっと現実を反映させていくべきだ」

――カメラの前に立つ映画スターとして、そして映画産業からの収入を重視するカリフォルニアの州知事として、ハリウッドの経済を見据えてきたあなたにとって、北米以外の資本で映画が製作される業界の傾向をどのように受け止めていますか?

シュワルツェネッガー「映画の資金が海外から調達されていることはいいことだと思っている。ハリウッドは、いままで海外からの興収で利益を得ても、製作資金の投資に関しては、外部からの協力に閉鎖的だった。本作は中国のテンセントから投資を受けた作品だが、結果的に映画のスケールが拡大し、内容も向上したと思っている。世界からの共同出資を受けることによって、配給を含めた全面的支援を、海外から受けることができるからね。特に中国のように自国で広く映画を広告、配給するノウハウがある国を味方につけることは、僕らにとっても利益になる。フランス、中国、日本、ドイツなど、様々な国が作品に出資することで、それぞれの国がハリウッドから利益を得られる。世界の国々が協力し合えば、映画業界はグローバルに拡大する。大切なのは、外国から受け取った資金を自分たち利益の為だけに利用するのではなく、世界の国々が映画業界に進出することを斡旋し、全体の経済向上につながる機会を提供することだと思っているよ」

――今回のターミネーターは、メキシコが舞台で、ガブリエル・ルナやディエゴ・ボネータ、ナタリア・レイエスといったラテンの俳優陣を揃え、南米からの影響を反映させているように感じますが、それはどうお考えですか?

シュワルツェネッガー「特にラテンの影響に特化しているわけではないが、本作に国際的なキャストが採用されているのは、ただの偶然ではない。昔は、海外の俳優がハリウッド映画に脇役で出演することはあっても、主役はいつもアメリカ人だった。最近は、映画も真の多様性に向かっていると感じている。現実を反映させた作品を作ろうとするのであれば、それは当たり前のことで、これからの映画製作における新しい基礎だと思う。カリフォルニア州には多くのラティーノの人々が住んでいるのは事実だ。映画は、もっと現実を反映させていくべきだね」

■ 「キャメロンは天才だよ」

――キャメロン監督と長くお仕事をされてきましたが、彼の才能を確信した瞬間はいつでしょうか?

シュワルツェネッガー「キャメロン監督と第1作を撮影した時のことで覚えているのだけれど、どうしても彼は僕に『I’ll be back (アイル・ビー・バック)』と言わせたかったんだ。でも僕はどうも語呂が良くない気がして『I will be back(アイ・ウィル・ビー・バック)』と変更した方がいいと、キャメロンに提案したんだ。すると彼は『台本にそう書いてあるか?』と聞いてきた。私が『いや、台本にはI’ll be back (アイル・ビー・バック)と書いてあるが…』と答えると、キャメロンは『なぜ台本通りに言えないのか?』と聞いてきたんだ。私が諦めずに『どうもこれだと語呂が悪いんじゃないか』と言い返すと、キャメロンは一瞬黙って、『俺はお前の演技を批判していない。お前は俺の脚本を批判するつもりか』って言ってきたよ(笑)それを言われた私は、タジタジになってしまった。それにしてもまさかあの『I’ll be back (アイル・ビー・バック)』というセリフが映画史に残るほど有名になるとは、全く予想できなかった。キャメロンは天才だよ。『Hasta La Vista Baby(アスタラビスタベイビー)』もそうだ。映画が公開されるまで、どのセリフが有名になるかなんて誰にもわからないからね。あと、強い女性が登場するのも、彼の作品の特徴だ。女性がヒーローなのは、リンダ・ハミルトンが活躍した第1作から変わらない。『ターミネーター2』、『アバター』、『タイタニック』、そして『エイリアン』といったキャメロンの作品も、女性がヒーローとして描かれている。フェミニストなのだろうとどう言われようとも、事実として世の中には強い女性が沢山存在する。しかしハリウッド映画ではどうしても男性がヒーローとして描かれることが多い。だからこそ女性をヒーローとして描くことで、観客からの反響を得られると、キャメロンは分かっているんだ」

――もしタイムトラベルをして1985年の自分に出会えるとしたら、なんと言いたいでしょうか?

シュワルツェネッガー「『この幸運な野郎め』っていうね(笑)どの時にタイムトラベルしようとも、私は本当に幸運に恵まれていたと思う。当時は辛いと感じていた幼少期だってそうだ。両親に厳しく育てられた過去は、いまの自分を形成した大切な時期で、オーストリアを離れ、渡米したいという強い意志を与えてくれた。成功したいという強い野心も、両親に植え付けられたと思っている。人生を振り返ると、私は常に“世界一幸運な男”だったと思う。このように様々なキャリアを経験できたことに、自分でも驚いている。今年で72歳になるが、ほとんどの人が引退するこの歳で映画に出演し、南カルフォルニア大学の『シュワルツェネッガー研究所』を運営し、環境問題への取り組みやフィットネスのプログラムの普及にも携わっている。この歳でここまで沢山のことが達成できるなんて本当に信じられない。私の人生は100点満点としか言いようがないね」

気取りのない口調と、爽快な笑い声で最後の質問に答え終わると、シュワルツェネッガーは自分から差し伸べた手で握手をし、じっと目を見て「インタビュー、ありがとう。」と言い、ゆっくりとした足取りでインタビュー部屋を去った。

本作は8日に日本公開されるやいなや、週末だけですでに観客動員数44万人、興行収入6億円超えの大ヒットスタートを切り、動員ランキング1位を記録した。16日(土)には前日談『ターミネーター2』が「土曜プレミアム」での地上波放送も控えており、いままさに巻き起こっている“ターミネーター旋風”から目が離せそうにない。(Movie Walker・LA在住/小池かおる)

最終更新:11/12(火) 20:00
Movie Walker

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