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【奥華子 インタビュー】デビュー15周年記念だし、このタイミングで全部出し切りたかった

11/12(火) 10:02配信

OKMusic

デビュー15周年の集大成となるベストアルバム『奥華子 ALL TIME BEST』。その制作背景や過程を語ってもらいつつ、映画『殺さない彼と死なない彼女』主題歌の新曲「はなびら」、さらには初挑戦したという同映画の劇伴についても話を訊いた。

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テーマに分けて入れたことによって、その曲の聴こえ方も変わってくると思う

──ベストアルバムとしては2012年10月にファンのリクエストをもとに作った『奥華子BEST -My Letters-』がありますが、今回はデビュー15周年記念というものだけに、その時とは気持ちの部分は違いますか?

「そうですね。「はなびら」という映画の主題歌があって、この曲をシングルで出すんじゃなくて、ベストアルバムとして出したいって思ったんです。デビュー15周年記念だし、このタイミングで全部出し切りたいって。年内まではライヴを入れてますけど、それ以降は白紙にしているんですね。ひと区切りと思っているのに、シングルを出すのがイメージできなかったから、ベストアルバムを出して、そこに新曲として入れようと。なので、今回は選曲も全部自分でやりました」

──前回のベストはファンの投票をもとに選曲してましたからね。

前回はファンのみんなと一緒に作るベストアルバムだったんで。だけど、今回は自分が残したいもの…もちろん全部残したいんですけど、その中から自分で選曲しました。シングル曲が全然入ってないんですけどね(笑)。

──そうですよ。スペシャル盤と完全限定生産BOXに同梱されているMV集にシングル曲があるとはいえ。

だから、MV集込みでのベストなんです(笑)。最初は1枚ものか2枚組か、それとも3枚組にするかって何カ月も悩んでて…なんか、全然しっくりとこなかったんですよ。“失恋ディスク”“ハッピーディスク”“人生ディスク”って振り分けてみたんですけど、全部同じような感じに聴こえて。そうなると一曲一曲がもったいないから、そういう枠で括るのは良くないんだと思って、なんとなくのイメージで、儚いからこそ愛おしい“花”、いつもそこにいてくれる“空”、闇があるからこそ見える“月”というテーマで振り分けてみたら、上手く代表曲が散らばったし、マニアックな曲も入れることができたんです。“このディスクにはあの曲があったほうがいいな”とか、曲順を決める時に聴き心地的に違うサウンドが欲しいっていうことで入れた曲もありますけど。

──その中で前回のベストにも今回のベストにも収録されている曲というのは、奥華子として絶対に届けたいものということで?

「初恋」とか「ガーネット」とか“これを入れないと苦情が来るだろう”という曲は入れました(笑)。「明日咲く花」はタイトルに“花”が付くし、シングルなのに入ってないんですよ。そういう曲もあります。普通にシングルや代表曲を選んでいくと、ほとんど前回のベストと一緒になってしまうんですよ。なので、前回のベストに入ってる曲は外したりしました。それ以降の新曲も入れたかったし。

──前回のベストに引き続き「シンデレラ」と「トランプ」が入っているのは、“ALL TIME BEST”を謳うなら提示しておきたい奥華子像になるのでしょうか? 気持ちが外に向かっている「シンデレラ」と内に向かっている「トランプ」ということで、その両極の曲だと思うのですが。

なるほど! 確かにそうですね。「シンデレラ」はシングルですけど、「トランプ」はマニアック枠ということで前回のベストに入れたので、今回は入れないつもりだったんですけど、奥華子のダークな部分というところでは欠かせない曲だし、個人的にもすごく好きな曲だったから入れたんですよ。そういう意味では、前回のベストに入っているマニアックソング…例えば「夕立」は入れず、違う曲を選びましたね。だから、自分が思う奥華子像を作りたくて「トランプ」は入れました。

──「自由のカメ」が新録で入っているのですが、それについては?

デビュー15年の集大成として全部出し切りたいと思っていて、やり残していることを考えた時に、インディーズでの弾き語り盤(2005年発表の『vol.best』)に入っている「自由のカメ」をバンドでやりたいとずっと思ってたんですよ。他の曲も弾き語りで入ってるんですけど、それはその時だからこその良さがあっていいと思ってて。でも、「自由のカメ」はもっと良くなると思ってたし、歌詞のメッセージが今の自分とリンクしてると思ったので録り直しました。

──バンドアレンジだし、ライヴに近い感じですよね。

信頼を寄せているミュージシャンとスタジオで一発録りしました。

──そこにシンセでストリングスやホーンを加えて壮大に?

ヴァイオリンは生で弾いてもらいました! 弾き語りのバージョンがあるからこそ、より派手にっていうか、違う方向に振り切って作ることができましたね。

──その曲が“空”ディスクの最後に入っているというのは?

特に意識したわけじゃないんですけど、新曲の「はなびら」が“花”ディスクに入っているんで、“空”か“月”かってなったら“空”かなって。まぁ、どの曲であっても、それぞれの要素はあるんですけどね。

──「初恋」が“月”ディスクに入っていてもおかしくないですしね。そうなると“月”ディスクは、かなりディープなものになりますけど(笑)。

そうですね(笑)。“月”ディスクには入れたい曲がいっぱいあったんですよ。

──でも、奥華子ファンが好きなのは“月”ディスクですよね。

絶対にそうでしょうね。でも、それだけだと成立しないというか、“花”の面も“空”の面あるからこそ奥華子なんだと改めて思いました。

──“花”ディスクには「プロポーズ」や「二人記念日」が入っていて、奥華子の明るい面がうかがえました。

実は幸せソングも結構あるんですよ(笑)。「恋」も切ないけど、暗くはないし。そういうところが“花”っぽいんでしょうね。それを“花”や“空”というテーマに分けて入れたことによって、その曲の聴こえ方も変わってくると思うんですよ。だから、新しいCDとして聴いてもらえるものになればなって。

──「初恋」を華子さんが“花”ディスクに入れた意味とかを考えながら聴くと、また印象が変わりますよね。

確かに。人によっては“なぜ「年上の彼」が“花”ディスクに入ってるんだ?”って疑問に感じると思うんですけど、そういうところも楽しんで聴いてほしいですね。

──“花”ディスクとはいえ、「初恋」「365日の花束」「年上の彼」の並びはなかなかディープですから(笑)。そして、その“花”ディスクの最後を「やさしい花」が締めているのにも意味があるなと。

デビューする時に“自分はどういう曲を歌っていくシンガーソングライターになりたいのか”って考えて作ったから、この曲が“花”ディスクの最後っていうのがいいなと。

──新曲で始まって、デビュー曲で終わりますしね。“空”ディスクも明るいというか、ハッピーな印象がありました。

“いつもそこにいてくれる”ということで考えると、いろんなとらえ方ができるんですよね。失恋しても心の中に残っているもの、離れているけどつながっているもの…そういう意味では、“空”ディスクは振り幅が一番広いかもしれない。

──開けている感じもありますね。「Happy days」とかあるし。

そうですね。あと、歌詞に“空”って言葉が出てきたり…単純にそういう理由で入れているものもあります。

──そして、“月”ディスクは1曲目の「あなたに好きと言われたい」からどっぷりとディープで。

奥華子の真骨頂は“月”ディスクだと思うくらい、失恋ソングというか、ダークな部分が詰まってますね。その1曲目を何にするか迷ったんですけど、「あなたに好きと言われたい」が奥華子っぽさを一番凝縮していると思ったんですよ。歌詞にしても、歌声にしても。

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最終更新:11/12(火) 10:02
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