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農林中金:CLO残高が6四半期ぶりに減少、8兆円割り込む-関係者

11/12(火) 15:51配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 農林中央金庫の2019年9月末のローン担保証券(CLO)保有残高は、前四半期比で微減となり、8兆円を割り込んだもようだ。投資拡大を続けてきたCLO保有残高の減少は6四半期ぶりとなる。

非公開情報として匿名を条件に語った複数の関係者によると、減少は保有証券の償還によるもので、売却によるものではないという。具体的な残高についての言及は避けた。CLOが裏付け資産とする米レバレッジドローン指標のS&P・LISTAトータル・リターン指数が低下するなど市場環境は悪化しており、慎重な投資姿勢を取ったことで償還分が投資分を上回ったと見られる。

農林中金のCLO保有残高は、18年3月末の約3兆8000億円から四半期ごとに増加し、19年6月末に8兆円にまで拡大。投資対象は全て「AAA」格に限定しており、市場運用資産に占める割合は約13%となっていた。

農林中金の広報担当者は、保有残高についての言及は避けた上で、「リスクリターンを見極めながら引き続き慎重に投資をしていく」と述べた。21日に予定している決算発表で、直近のCLO投資残高についても公表する見通し。

低金利の長期化を背景に、農林中金など日本の大手金融機関は近年、CLO投資を増加させてきた。日本銀行が先月発表した金融システムリポートによると、CLO市場での邦銀の投資残高は足元で15%を占める。

同リポートによると、邦銀が多く保有する最上位「AAA」格のトランシェについてはリーマンショック級のストレスが発生した場合でも、「信用リスクの面での頑健性は相応に高い」としているが、「AA」や「A」格に格下げされた場合には、2割から3割程度の価格下落が発生するとして注意が必要とも指摘している。

ブルームバーグの試算によると、農林中金は今年夏頃まで6000億ドル(約66兆円)規模のCLO市場で圧倒的なプレゼンスを持ち、欧米では昨年10-12月期(第4四半期)に最高格付けのCLOの最大半分を購入していた。それが記録的な市場の成長を支えた半面、金融庁などの監視に拍車を掛け、同市場における農林中金の動向に関心が集まっていた。

利回りを渇望する投資家の人気を受けてCLO市場の活況は続いている。19年の発行額はすでに約1000億ドルを超え、過去最高だった昨年の1130億ドルに並ぶ水準となっている。

(c)2019 Bloomberg L.P.

Yuki Hagiwara, Taiga Uranaka

最終更新:11/12(火) 15:51
Bloomberg

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