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“空手界の綾瀬はるか”清水希容 羽生結弦流で挑む五輪金メダル

11/13(水) 11:50配信

東スポWeb

【「令和」に刻む東京五輪 気になる人をインタビュー】力強く、美しく。たった一度の演武で観客をとりこにする女性がいる。“空手界の綾瀬はるか”こと清水希容(25=ミキハウス)は、全日本選手権の女子形で6連覇中と圧倒的な強さを誇るが、あの国民的アスリートを参考にさらなるレベルアップを目指している。本紙連載「『令和』に刻む東京五輪」では、最大の目標である東京五輪での金メダル、そして、もう一つの目標をかなえるために奮闘する美人空手家の胸中に迫った。

 猛練習に励んだ大学時代に清水は大きな成長を遂げた。「授業の合間も空きスペースで形の練習。とにかく暇があったら練習していました」。2年時に全日本選手権で初優勝を果たすと、昨年大会(12月)で6連覇を達成。世界選手権も2度制した。そんな女王でも東京五輪まで1年を切ったことで、少なからずプレッシャーを感じているという。

「周囲の雰囲気が緊迫してきたので、私自身も緊張感が増してきました。五輪前哨戦の9月のプレミアリーグ東京大会では、五輪を見据えながら演武をしたら、気負い過ぎてしまいました。本番ではもっと気負ってしまうと思うので、気持ちをコントロールできるようになりたいです。技が崩れてしまったら、五輪の時に後悔してしまうと思うので…」

 危機感を募らせるのには訳がある。ライバル、サンドラ・サンチェス(38=スペイン)の存在が大きい。10月のプレミアリーグモスクワ大会では、得意形の「チャンタンヤラクーサンクー」対決で敗れた。宿敵の形を「技の見せ方がうまい」と称賛するが、金メダルを譲るつもりはない。

「彼女にはないダイナミックさが自分の持ち味。そこがちょっと最近欠けていた部分でもあると思っているので、技の中に気迫を出せるようにしたいし、動きとしても大きさをしっかり追求したいなと思います」

 試合ごとに課題を見つけ、自分の成長につなげるのが清水の強さの秘訣。「停滞してそこで満足するのが嫌い。常に進化を求めてやっていきたい」とさらなるレベルアップを目指し、フィギュアスケートで五輪2連覇を果たし国民栄誉賞を受賞した、あのスーパースターを参考にしている。

「羽生結弦選手(24=ANA)です。表現力やヒザの使い方が参考になります。また、特に意志の持ち方、気持ちの持ち方がすごい勉強になります。彼は求めているものがすごく高くて、自分もストイックな姿勢を見習いたいです」

 今は空手一筋の生活。「余裕があったら旅に出たいです。お寺が好きなので、お寺巡りもしたいですね(笑い)」と語るが、週1回のオフ日でも体のケアやコンディション管理に努めるなど、日々空手と向き合っている。そんな清水には、五輪での金メダル以外にも目標がある。それは「空手の魅力を世界中に伝える」ことだ。

「みんなが注目する五輪の舞台でいいパフォーマンスやいいものを見てもらえれば、何かしら引かれるものや残せるものはあると思います。空手界のその先につながっていけるような道をつくりたいです」

 東京五輪後も納得いくまで現役を続ける予定。引退後も指導者として「今の経験を次世代につなげていく。今自分にしかできないこと、自分にしか感じられないことをたくさん経験して、それを次世代にバトンタッチしたいです」と空手に一生携わっていくつもりだ。気になる恋愛事情については「結婚は全く考えていないです。今は空手一本ですね」ときっぱり。それよりも「旅行に行きたいですね。すべてを忘れて自由になりたい。奄美大島とかに行きたい。自然が大好きなので、自然に触れて浄化したいですね(笑い)」。

 清水のインスタグラムによると、10月には屋久島を訪れ、縄文杉の付近で形を行うなどしてリフレッシュしたようだ。最強のパワースポットで大自然の力を吸収した清水が、世界最強の座をつかみ取り、空手の魅力を世界に伝えていく。

【空手・形のルール】8メートル四方の畳で、演武ごとに世界空手連盟が認定する102種類の中から選んだ形を披露する。立ち方や技の正確性などの基礎的な部分を見る技術点(70%)とパワーやスピードなどの力強さを見る競技点(30%)を、7人の審判が0・2点刻みの5~10点で判定。上下2人を除く3人の審判による合計点が高い選手が勝利となる。

 東京五輪では、男女各10人が出場。予選では、演武を1人ずつ行い、上位2人が決勝に進む。決勝は、1対1の対戦形式で行われ、合計点の高い選手が五輪王者に輝く。

☆しみず・きよう=1993年12月7日生まれ。大阪府出身。小学3年で空手を始め、東大阪大学敬愛高3年時に高校総体優勝。関大進学後は、2年時に全日本選手権の女子形で史上最年少優勝を果たし、現在まで6連覇中。2014、16年の世界選手権で優勝。スピーディーさの中にも、気迫を前面に出す演武スタイルが特徴。今年6月のプレミアリーグ中国大会の決勝でライバルのサンチェスに敗れたが、その際の減点対象が「呼吸音」だったことで大きな話題になった。160センチ、55キロ。

最終更新:11/13(水) 11:52
東スポWeb

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