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利便性向上狙い、駐車場一部有料化 静岡空港11月15日予約開始 来客減少、懸念も

11/13(水) 11:50配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 全て無料の駐車場を一部有料に―。富士山静岡空港株式会社は11月、約2千台収容の駐車場のうち、70台分を事前予約制で有料化すると発表した。2020年度以降については全体の半分以上の有料化も視野に、検討を進める。搭乗者からは「確実に駐車できて安心」と歓迎の声が上がる一方、09年の開港時から無料を“売り”としてきただけに、来客減を懸念する見方も出始めた。同社は「利便性を高め、利用者をさらに増やすため有料化は必要」と説明する。

 開港以来、駐車場が最も混雑したことしのゴールデンウイーク。約2千台分が満車となり、約600台分の臨時駐車場を開放したが、みるみるうちに利用者の車で満杯になった。近接する原子力防災センターの駐車場も借り、何とか大混雑を乗り切った。



 ■背景に利用者増

 近年は年末年始や大型連休などに駐車場が埋まる状態が続く。臨時駐車場はターミナルビルから約400~800メートルの場所。同社によると、「大きな荷物を持ち、歩いて移動するのは大変」との声が寄せられている。担当者は「搭乗に間に合わない可能性も考えられる。一部を予約制にしてスムーズな搭乗手続きをサポートしたい」と話す。

 予約制にするのは、利用者にとって最も便利なビル正面の区画。15日から受け付けを開始し、12月15日から実施する。予約時にウェブ上で決済する予約金500円に加え、駐車料金1泊500円を駐車場の精算機で徴収する仕組み。本年度中は1泊分の駐車料金を無料にするとしている。

 11月2日。文化の日を含む3連休初日で、静岡空港は多くの利用者で混雑した。家族旅行で沖縄へ行くため、車で訪れた三島市の男性(74)はビル近くに駐車できたものの「搭乗まで時間に余裕がなければ焦るので予約できれば安心」と一部有料化に賛同する。羽田空港(東京都大田区)の場合は1日当たり約1500円かかることを念頭に「問題は価格設定。高ければ県東部の人は首都圏の空港を利用する。1泊500円なら安い」とみる。

 一方、飛行機に搭乗せずに飲食や買い物をしたり、機体が離着陸する様子を眺めて楽しんだりする「見学者」が多いのが静岡空港の特徴。孫に飛行機を見せようと島田市から車で来た男性(63)は「見学者からは駐車料金を取らないでほしい。お金が必要となったら来る人が減るのでは」と心配顔だ。



 ■新たなステージ

 静岡空港はことし4月、運営権が県から同社に譲渡され、民営化した。開港以来、無料の駐車場を積極的にアピールしてきた県の縣修空港管理課長は「まずは利用者を増やすことが目的だった」と振り返る。県が目標に定めていた年間搭乗者数70万人を18年度に達成したことを踏まえ、「空港運営は新たなステージに入った。不便が生じている状況を考えると、利用者サービス向上のための方法を考えなければ。駐車場有料化はその一つ」と理解を示す。

 同株式会社は今後20年間で搭乗者を135万人にまで倍増させる目標を掲げる。その実現に向け、路線バス運行やカーシェアリングサービス導入など2次交通の強化も進めている。駐車場は無料区画も残し、有料枠の数や価格は今後検討を重ねるという。担当者は「搭乗客が確実にビル近くに駐車できるよう、在り方を適正化していく。満足度を高め、利用者数を伸ばしたい」と強調する。

静岡新聞社

最終更新:11/13(水) 11:50
@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

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