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毎朝4時半に起床する夫。生活スペースも食事の支度も別に〈家庭内別居・3〉

11/13(水) 12:00配信

婦人公論.jp

今さら離婚はできない。かといって四六時中一緒の生活は窮屈すぎる。悪戦苦闘の末、快適な距離を見いだした夫婦の暮らしとは──尚子さん(仮名)の場合、夫とは生活リズムが合わず…(取材・文=上田恵子)

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◆平和に過ごせるよう、夫婦のテリトリーを分けて

さらに、夫が定年になる前から、今後に備えた生活を送っているツワモノもいる。食品工場でパートをしている尚子さん(54歳)だ。住宅関係の会社に勤める尚子さんの夫は58歳。13年前に購入した3LDKのマンションで、出版社勤務の23歳の娘と3人で暮らしている。

「家庭内別居を始めた理由はいろいろありますが、決め手になったのは騒音問題。夫は4~5時間眠れば十分という体質で、意味もなく毎朝4時半に起床するのですが、支度をする際に立てる物音がとにかくうるさいのです。8時間は眠りたい私は、ろくに寝ていられず朝からイライラ。

このままじゃ夫が定年を迎えたら、一日中いがみ合って暮らすはめになることは目に見えています。そこで彼に『お互いが平和に過ごせるよう、夫婦のテリトリーを分けよう』と提案。5年前から現在のスタイルで生活するようになりました」

尚子さん家族が住むマンションは、中央にキッチンやお風呂などの水回りが集中し、南北両端にベランダが設置されているタイプ。夫の騒音問題をきっかけに夫婦で話し合い、北側の2部屋を尚子さんと娘の、南側を夫のスペースにすることを決めたという。

「生活スペースを分けたことで、ドアを閉めてしまえばほとんど物音は聞こえなくなりました。また、彼は起きてすぐにご飯を食べたい人なうえ、食の好みが私や娘とは合わないので、食事の支度は自分でしてもらうことに。朝から肉と野菜の炒め物など、コッテリしたものを作っていますよ(笑)。結婚するまで独り暮らしをしていた人なので、苦にならないようです」

◆イライラの原因をひとつずつクリア

尚子さんは毎朝6時に起きるものの、出勤前の夫の段取りを邪魔しないよう、彼が家を出るまで自室で待機。夫が出かけてから、娘と朝食を食べている。

「夕食は夫と一緒に摂りますが、作るのはお酒のつまみ程度です。テレビで野球中継を観るのが趣味の夫は、冷や奴やもろきゅうなどをつまみに晩酌。私はテレビが嫌いなので、すぐに自室へ引っ込むことにしています。残業が多い娘は、ほとんど家では食べません」

土日は3食とも、各自で済ませるのがルール。家にじっとしていられない夫は朝から出かけ、尚子さんも友達と飲みに行ったりしながら、気ままに過ごしているという。

「夫の給与は妻が管理するという家庭が多いのでしょうけれど、わが家では財布もバラバラです。夫7割、私3割で家計を出し合い、一つの財布を作っておくだけ。各自買ったもののレシートをチェックして、家族に必要なものだと認められた場合のみ、家の財布から精算できるシステムにしているのです。足りなくなったら、また7:3の割合で補充する。こうすることで、金銭面でのストレスも解消することができています」

イライラの原因をひとつずつクリアして、快適な生活を手に入れた尚子さん。彼女を含め、今回話をうかがった女性に共通していたのは、「夫と物理的に距離を置くことで気持ちに余裕が出て、夫婦関係が良好に保てている」ということ。

来たる老後のスタートがストレス多きものにならないよう、夫が定年を迎える前に、少しずつ準備をしておくことが成功の秘訣なのかもしれない。

上田恵子

最終更新:11/13(水) 12:42
婦人公論.jp

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