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鈴木朋樹、“世界のモンスター”相手につかんだ「自信」と感じた「楽しさ」 パラ陸上世界選手権2019

11/13(水) 9:00配信

カンパラプレス

 11月7日にドバイで開幕したパラ陸上の世界選手権。大会6日目の12日、個人種目の全レース(全てT54クラス)を終えた鈴木朋樹(トヨタ自動車)は、こう振り返った。
「世界最高峰の舞台で、世界のモンスターたちと一緒にこれだけ多くのレースができたことは、きつかったけれど、スポーツの楽しさを再確認することができました」
 今大会で目標としていた上位入賞には至らなかった鈴木だが、掴んだ自信は決して小さくはない。そして、目の前に突き付けられた予想以上の高い壁にも、鈴木はそこに挑戦することに胸を高鳴らせている。「鈴木朋樹」というランナーの真骨頂は、そこにある。

実感した世界トップクラスの「スタート力」

 各種目4位以内の入賞者には東京パラリンピックの出場国枠が与えられる今大会、本気モードのトップ選手たちが世界から集結し、熾烈な争いが繰り広げられている。そんななか、今年4月のロンドンマラソン(パラ陸上のマラソン世界選手権)で銅メダルを獲得し、日本人パラ陸上車いすアスリートでは唯一の“東京パラ内定者”として今大会に臨んだ鈴木。彼には、今大会で果たしたいことがあった。

 一つは、世界が躍起になって狙ってくる「4位以内」に入ることだ。これが、来年の本番で目指す「メダル獲得」という競争ラインを越える自信とリハーサルになると考えたからだ。

 そして、もう一つは「スタート」だ。これまで最重要課題として強化してきたスタートでの加速力を発揮し、自らがレースの主導権を握るような展開にすること。それは、速い選手の後方につき最後の“まくりでの逆転”に賭けることしかできなかった、実力不足に加えて消極的だった自分からの脱却を意味していた。

 鈴木は、現在世界の頂に君臨するダニエル・ロマンチュク(アメリカ)と、マルセル・フグ(スイス)の二人を除けば、自分には世界トップクラスのランナーの中でも負けないスタート力が身についていると考えていた。

 すると最初の800mで、その実力を強く印象付けた。ロマンチュクとフグ以外、鈴木のスタートの加速力に及ぶ者は誰一人いなかったのだ。本人も「スタートに関しては、100点満点」と語り、これまでのトレーニングの成果が出たことに、大きな自信を得ていた。

 一方、スタートの加速力を身につけると同時に、「他力本願ではなく、自分で勝ちを取りにいく」という積極的な姿勢が、アクシデントから身を守るかたちとなったのが、1500m予選だった。

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最終更新:11/13(水) 9:00
カンパラプレス

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