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途絶えた人手、農地そのまま 復旧阻む泥とわら 台風19号 1カ月

11/13(水) 7:11配信

日本農業新聞

 収穫期を迎えた田畑を土砂や濁流が襲った台風19号から12日で1カ月。田畑に残る大量の泥や稲わらが営農再開を妨げ、農家の苦境は今も続く。台風19、21号と立て続けに被災した農家や、新規就農して「これから」という時に被害に遭った農家もいる中で、復旧に向けた人手不足も心配されている。(音道洋範、鵜澤朋未)

浸水立て続け…落胆 福島県相馬市

 「1カ月たったが、一つのハードルも越えていない」と語るのは福島県相馬市の農家、武島竜太さん(55)だ。同市周辺では台風19号とその後の21号による大雨で付近の河川から水があふれ、市内の広い範囲で収穫前の水田に土砂や稲わらが流れ込んだ。

 水田や用水路には深い所で土砂が30センチ、稲わらが1メートル近く堆積した他、農道も崩れて通行できなくなった。そのため現在も25ヘクタールの水田のうち8ヘクタールで収穫が困難となっている。「丹精して育てた米なので少しでも収穫したいが、砂やわらで機械が壊れてしまう。収穫は難しい」と話す。

 営農再開は進まず、被災地周辺では11月半ばになっても稲が水田に残っている所が目立つ。浸水した住宅の片付けなどを優先したことで、収穫に取りかかれなかったためだ。なんとか刈り取っても刈り遅れによる品質低下で等外となる米も多く、農家収入の減少につながっている。

 来年の作付けに向け、残った稲の処分が必要だが、人手不足が復旧に影を落としている。武島さんの集落の農家は4戸で、近隣の協力だけで稲わらを取り除くのは難しい。「実際にどんな組織で稲わらを取り除くのか、詳細が分からないと進めようがない」と話す。稲わらの集積場所なども決まっていない。

 JAふくしま未来そうま地区の西幸夫本部長は「農家の不安を少しでもなくせるよう購買での支払い猶予などさまざまな手段を考えたい」と話す。県では被害の全体像が見えてきたとし、今後は農地の復旧を加速させ、来春の農作業シーズンに間に合わせたい考えだ。

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最終更新:11/13(水) 10:49
日本農業新聞

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