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Rei「時間の尊さや儚さを考えることが多くなった」新譜で示した居場所:インタビュー

11/13(水) 11:02配信

MusicVoice

 シンガーソングライター・ギタリストのReiが11月13日、ミニアルバム『SEVEN』をリリース。1stアルバム『REI』から約 1 年ぶりとなった今作は、Reiの音楽性の幅広さと挑戦が詰まった全7曲が収録された。インタビューでは、今のReiの心境が大きく反映された楽曲たちの背景に迫るとともに、グルーヴについてや制作で心掛けていることなど多岐にわたり話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

いくつもの意味合いがある『SEVEN』

――この夏はたくさんのフェスに出演されて、その中でCharさんと一緒にやったりと充実していましたね。

 Charさんとはクリス・ペプラーさんの各世代のギタリストを集めるというイベントで、私は20代の代表ということで出演させていただいたのが最初した。そして今年の9月に中津川 THE SOLAR BUDOKANでCharさんのステージに福原美穂さんと佐藤タイジさんと一緒にゲストとして出演しました。その日はCharさんの「Smoky」と「Shinin' You Shinin' Day」を演奏させていただきました。

――カバーするときの心得はありますか。

 自分がパフォーマンスをしてカバーをするときは自分のエッセンスをどこかしらに潜ませて演奏したいと思うので、基本的に1回コピーした上で「どこを崩すかな」とか、「自分色をどこに入れるかな」という考え方でアレンジしていきます。

――カバーというところで7月におこなわれた『Reiny Friday -Rei & Friends- Vol.10 Celebration!』で演奏された、山崎まさよしさんとの「Crossroads」もすごくカッコ良かったです。 

 ありがとうございます。山崎さんが『ONE KNIGHT STANDS』という弾き語りのツアーをやった作品がありまして、そこでも「Crossroads」をカバーされているので、山崎さんのバージョンも聴きつつ、私が独自にカバーしていたアレンジもシェアしながらといった感じでした。お互いにブルーズが好きだったので、臨機応変に演奏しました。

――完成度も高くて聴いていて凄くカッコ良いと思いました。さて11月3日に1stアルバム『REI』がアナログ盤でリリースされましたが、Reiさんはアナログは聴きますか?

 基本的に私はCD育ちなんですけど、自分が気に入ったレコードは買って聴くこともあります。動機は曲が気に入ったらレコードのサウンドでも聴きたいなと思ったり、単純にジャケットが大きいので部屋に飾りたいというのもあります。今作はジャケットは同じなんですけど、歌詞カードや盤面のデザインは、アナログ用に作り直しました。今回チェコでプレスしたんです。

――チェコでのプレスはなぜ?

 レコードに精通されている方にお勧めして頂いて。今回マーブル模様の素敵な盤面なんですけど、それがチェコでできるということでした。

――そこでしか出来ないプレスがあるんですね。裏ジャケットには王冠が入っていますけどこれは?

 この王冠なんですけどポルトガル語で“rei”は“王様”という意味なんです。それで王冠を入れようと思って。

――さて、新作の『SEVEN』はブルースなど昔ながらの良さは残しつつも現代の音楽に昇華されているという印象を受けました。今作は7曲入りだから『SEVEN』なのでしょうか。

 それもあります。いくつか意味がかかっていて、まず7作目の作品ということと、週7で聴ける七色の作品ということで、毎日聴いても味わい深いということや、7曲それぞれの色合いがあるという意味で虹色の七色ということだったり。あと音で言ったら私の好きなセブンスコードをたくさん用いた作品になっているので、色んな“7”がかかっているタイトルになっています。

――様々な“7”の意味があるのですね。1曲ずつを曜日でわけたりできそうですね。

 その発想はなかったですけど、そういう分けかたもできそうですね。「水曜日にはこの曲を聴く」みたいな。海で航海している人とかは曜日の感覚がわからなくなるから金曜日にカレーを食べたりするらしいですけど、そういう感じで(笑)。

――ちなみにReiさんは日曜日にはどの曲が聴きたいですか。

 「Bon Appetite!」とかいいかもしれないです。アップルパイを作るレシピを歌詞に投影したので。

――「Bon Appetite!」はサウンドと歌詞のギャップが凄いですよね。

 先に曲が出来ていて、ここにシリアスな歌詞を乗せるのはちょっと面白みに欠けるなと思いました。それでもカッコ良かったんだと思うんですけど、自分の持ち味、キーワードのひとつで“ギャップ”というのがあると思うので、そういう部分を「Bon Appetite!」で演出できたらなと思いまして。

――なぜ、テーマがアップルパイだったのでしょうか。

 実際にアップルパイを焼いた日があって、そのレシピを色々探していて。レシピって文章ではなくて工程なので、普通の文章とは違うレシピの要領で歌詞を書いたら面白いんじゃないかと。材料とかを羅列したりするのは文章ではないけど、時間の経過を感じられて面白いなと思いました。

――実体験からの歌詞だったんですね。今回は“時間”というのがテーマとしてありますよね。1曲目の「Territory Blues」は、ブログで解説されていましたね。それを拝見させていただいて「自分がいる場所はどうなのか」という点について考えさせられました。色んな所に行ったことのあるReiさんだからこそ書ける歌詞なのかなと。こういったことを常々考えられていたのでしょうか。

 これは自分のテーマでもあります。一匹狼みたいに身軽に色んな所に行っている様はカッコいいと思うので、それは自分の生き様としてありだと思うんです。その一方で帰ってくるステーションみたいな所がない感覚もありました。私はインターナショナルスクールに通っていたんですけど、卒業したらみんな世界各地に散り散りだったというのがあって、地元に帰れば友達がいっぱいいるということもなくて…。でも、働き出して数年経って、本当にここ最近、東京が自分にとって居場所になりつつあるなという感覚が芽生えてきました。

――Reiさんの出身地である兵庫県にはあまりそういう感覚はない?

 出生地なのでもちろん大切な場所ではありますけど、あまりそこでの思い出とか友達とか実はあまりないんです。

――場所というよりは人なのかもしれませんね。

 それは往々にしてあると思います。映画『猿の惑星』のような感覚があって、景色は同じなんですけど、そこにもう人がいないみたいな。

――居場所があるということは凄く幸せなことですよね。

 そうですよね。自分で作っていくものでもあるというメッセージもあります。いい人の周りにはいい人が集まるというし。

――「Territory Blues」は歌詞からでしょうか。それともメロディと同時進行で?

 実は元々は全然違う歌詞がついていたんですけど、今回はハーレーダビットソンさんとのコラボレーションの話があって、バイカーの方のいつも通っている道とかそういうのはテリトリーだと思いました。あとはハーレーというアメリカの大地で走っているときに、どういう歌詞が流れていたらいいかなと考えて、もう少し普遍的な、風化されないような歌詞にしたいなと思って書き直しました。

――ハーレーというアメリカを感じさせるところもあって全編英語で。

 ハーレーで興味を持ってくださった方というのもありますし、ハーレーが生まれたアメリカに敬意を表してというところで英詞にさせていただきました。

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最終更新:11/13(水) 11:02
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