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[大弦小弦]おじい、なぜ明るいの?

11/13(水) 8:31配信

沖縄タイムス

 おじい、なぜ明るいの?  石川県出身の坂本菜の花さん(20)は2015年、珊瑚舎スコーレ(那覇市)に入学し、故郷の新聞でコラムを始めた。初回は素朴な疑問。お年寄りと学んだ3年間、沖縄に何度も理不尽が降りかかった

▼沖縄テレビ報道部の平良いずみさんは同じころ、無力感にさいなまれていた。米軍が事件事故を繰り返し、県民の命とくらしを脅かす。でも何も変わらない。どう伝えればいいか。「菜の花さんの言葉の力を通して本土を、特に若い人の心をノックしたかった」。密着し、ドキュメンタリー映画を作った

▼16年、うるま市に住む20歳の女性が米軍属に殺害された。一部の報道に「抗議活動が大きくなる恐れ」「米大統領訪日前に最悪のタイミング」とあった

▼恐れ。タイミング。言葉の一つひとつが喉に刺さって抜けません。東京で起きても、同じことを言うのでしょうか-。菜の花さんの静かなナレーションが響く

▼卒業するころ、結論に達した。沖縄の人はなぜ明るいか。明るくないとやっていけないくらい、暗いものを知ってるから。お年寄りとのゆんたくに元気をもらい、その奥の悲しみを知った

▼「遠い場所の話ではなく、自分ごとと捉えてほしい」。菜の花さんと平良さんに話を聞くと、共通の願いを抱いていた。県内の公開は来年2月1日、桜坂劇場で。(吉田央)

最終更新:11/13(水) 8:31
沖縄タイムス

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