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2020年の戦略的テクノロジートレンド、人と周囲空間の相関で考えるべし--ガートナー

11/13(水) 10:00配信

ZDNet Japan

 ガートナー ジャパンは11月13日、2020年における戦略的テクノロジートレンドのトップ10を発表した。米Gartner ディスティングイッシュト バイスプレジデントのDavid Cearley氏は、トップ10のテクノロジーについて「『ピープルセントリック(人中心)』と『スマートスペース(人を取り巻く空間)』の相関性から捉えることが重要だ」と説く。

 Cearley氏は、2020年における戦略的テクノロジートレンドについて、「ピープルセントリック」と「スマートスペース」でそれぞれ下記の5つを取り上げた。

ピープルセントリック
ハイパーオートメーション、マルチエクスペリエンス、民主化、ヒューマンオーグメンテーション(人間拡張)、透明性/トレーサビリティー
スマートスペース
エッジ機能の拡張、分散型クラウド、自律的なモノ、実用的なブロックチェーン、AIのセキュリティ

 Cearley氏は、企業のビジネスやITのリーダーらに対し、テクノロジーとは最終的に人間のために存在し、テクノロジーが人間に何をもたらすのかを考えるべきだという本質を語りかけているという。2020年の戦略的テクノロジーの多くは、人間の能力や可能性に大きな力を授けるものであり、人を中心にその周辺空間においても影響するテクノロジーの特性と組み合わせて、自社がこれらのテクノロジーをどう利用していくかを考えるべきだとした。それぞれのテクノロジーのトレンドとは次の通りである。

ハイパーオートメーション

 人間の身の回りにおける自動化が可能な全てのプロセスを自動化するというトレンドであり、ここでは人工知能(AI)によるプロセスオートメーションが最大の用途になっている。ハイパーオートメーションによって、人間のさまざまな体験をどのように知覚化するか、“民主化”するかが重要であり、ヒューマンオーグメンテーションにつながっていく。同時に、透明性とトレーサビリティー(追跡可能なこと)が大事であり、倫理やプライバシーについてテクノロジーを利用して透明性を確保することが、長期的な信頼を醸成する。

 プロセスの自動化は、まずRPA(ロボティックプロセスオートメーション)による単純な自動化に始まり、AIの適用拡大とともに高度化し、「DigitalOps(デジタルオペレーション)」を確立する。DigitalOpsを通じて組織の「デジタルツイン」も形作られ、フィードバックループによるリアルタイムな自動化が実現される。

マルチエクスペリエンス

 モバイルやウェブ、会話型ユーザーインターフェース、拡張現実(AR)などであり、2021年において企業の3分の1がこれらの開発基盤を実装する。ここからさまざまなアプリケーションが生み出され、今後5年でその流れが加速する。これまでと同様にARとVR(仮想現実)のテクノロジーが中心になるが、その進化を通じて“体験”は多感覚でマルチモーダルなものになっていく。

民主化

 ここで言う民主化とは、テクノロジーによって人間が能力を獲得することを意味する。専門的で高度なスキルや知識を訓練せずに手にできる。これは上述のハイパーオートメーションを通じて実現される。かつては“シャドーIT”が注目されたが、“シャドーAI”のようなものが出現するだろう。これは非常に強力だが、企業にセキュリティリスクの懸念などをもたらすので、対応できるようにならなければならない。

ヒューマンオーグメンテーション

 人間の身体的能力や機能を拡張するテクノロジーであり、2025年までに企業の40%がヒューマンオーグメンテーションを採用する。ウェアラブルなどさまざまな組み込み型デバイスが使われるようになるため、企業は現在(2019年)からどう利用するかを検討すべきである。

透明性/トレーサビリティー

 既にデータの偏在やフェイクニュースなど無数の課題が生じているが、企業は対話を通じてテクノロジーやデータの使い方などに対する透明性を確保し、信頼を獲得すべきである。信頼を支えるのは「安全性」「倫理」「オープン性」「説明責任」「コンピテンシー」「一貫性」の6つである。

最終更新:11/13(水) 10:00
ZDNet Japan

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