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中国に新たなエコの動向 教科書の「プラスチックカバー」にノーを 親の愛情あふれる紙のカバーが復活か

11/15(金) 7:00配信

withnews

中国の新学期に合わせてよく見るのが、教科書カバーの買い出しです。毎日使う教科書を大事に使うため生まれた伝統ですが、親が手書きで名前を書いてくれたり、イラストを描いたりしてくれた記憶は、多くの中国人にとって大切な思い出になっています。しかし、近年、便利なプラスチックカバーが主流になっています。そんなプラスチック製の教科書カバーに対して、今年10月、当局が一斉に「ノー」を突きつけました。理由は環境への配慮。現地のSNSで巻き起こった反応から、中国で進む環境問題の意識の高まりについて考えます(朝日新聞記者・rong zhang)

【画像】中国の小学校で使われている教科書 同じ学校でも学級が違うと「プラスチックカバー」の指定が違う

教科書にカバーをつける習慣

中国の小中学校では、新学期が始まると、子どもたちが教科書にカバーをつける「伝統」があります。低学年の場合は、字をうまく書けない子どもの代わりに、親が科目名を書いたり、時にはカバーにイラスト描いたりすることも。それは、親子の貴重なコミュニケーションにもなっています。

カバーの材料は、カレンダーのような硬めの紙が一般的です。カレンダーを再利用する場合、裏側の白い面を使う人がいたり、表側の絵柄がある方を使う人もいて、個性が出ます。

カバーは、教科書をいためないために使われます。昔の中国の教科書はやぶけやすい紙に印刷されるものが多く、カバーをかけないと毎日使っているうちにボロボロになってしまいがちでした。また、中国の子どもが登校する時に使うかばん「書包」(スーバオ)も、昔は布製のものが多く、かばんの中で教科書がいたんでしまうため、本を「硬く」する必要がありました。特に、よく使う国語や数学、英語などの教科書はカバーが必須です。

保護が目的ではあったものの、多くの子どもたちにとって、新学期に、新しい教科書に新しいカバーをつけることは、楽しみの一つでもありました。カバーの色、書く文字などには、新学期への期待が込められていたのです。

増えるプラスチック製のカバー

一方、経済が豊かになった中国では、教科書の紙質も改善され、表紙も丈夫になりました。

それでもカバーの伝統はなくなりませんでしたが、変化も起きました。最近、登場したのが透明無地のプラスチックカバーです。共働きなどで忙しくなった親は、時間をかけて紙のカバーをつけ、絵を描いたり、字を書いたりする余裕がなくなり、プラスチックカバーを使うようになりました。

小中学校の中には、プラスチックカバーを義務化するところも増えていました。

そこで、新学期が始まると、学校の前の文房具商店街では、おびただしいプラスチックのカバーが売られるようになったのです。

教科書だけでなく、副教材のカバーなど、サイズもA4からB5、B6など、バリエーションが豊富です。

一人の小学生が少なくとも10枚以上を買わなければならないので、飛ぶように売られていきます。

中学生の場合、科目も宿題も増えるため、数十枚を当たり前のように買ってしまいます。

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最終更新:11/15(金) 7:00
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