ここから本文です

茨城県指定文化財 防火設備、緊急点検へ 県教委 首里城火災で11年ぶり

11/14(木) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

首里城(那覇市)の火災を受け、茨城県教委は11年ぶりに、県内にある県指定文化財(建造物)の防火設備の整備状況を緊急調査することを決めた。2008年の前回調査では、県指定文化財の防火設備の設置率は国指定を大きく下回っており、11年間で改善が見られたかが焦点となる。フランス・パリのノートルダム寺院や首里城など文化財の火災が相次ぐ中、県教委は調査を契機に、県内の歴史的な建造物に対する防火意識を高めたい考えだ。

県教委によると、調査の対象は大洗磯前神社(大洗町)の本殿拝殿や筑波山神社(つくば市)境内の春日神社本殿など、78カ所の県指定文化財(建造物)。自動火災報知機(自火報)設置の有無や設置時期など防火設備の現況調査を11月中に市町村に依頼し、12月中に結果をまとめる考え。

鹿島神宮本殿(鹿嶋市)など国指定の文化財32カ所の防火対策についても、県指定の調査結果と合わせ取りまとめる予定だ。

消防法は、文化財保護法で定める文化財(建造物)や寺・神社などに対し、自火報や消火器の設置を義務付けている。

前回の緊急調査は、韓国・ソウルで国宝の南大門が放火された事件を受け、08年3月28日付で実施。自火報と消火器の設置の有無に加え、消火栓や放水銃などの消火設備、避雷針の設置の有無を調査した。

当時の調査結果によると、国指定は自火報、消火器ともに設置率100%。消火設備の整備率は75%、避雷針も同64%に上った。一方で、県指定のそれぞれの整備率は、自火報59%、消火器85%、消火設備42%、避雷針48%にとどまり、国指定に比べて大きく下回る結果だった。

県文化課によると、文化財は原則として所有者が管理し、防火設備の整備も所有者に任されているのが現状。古民家などは個人が所有する例もあり、行政も費用を補助しているが、スプリンクラーなど多額の費用がかかる消火設備までは整備の手が回らない実情もあるという。

文化庁は4月に起きたノートルダム寺院の火災を受け、国宝や国の重要文化財に指定されている建造物の防火対策を緊急調査するよう都道府県に通知。9月には防火対策ガイドラインを公表した。10月の首里城火災を受け、各地の史跡などにある復元施設についても防火体制を緊急点検するよう通知を出すなど、文化財の防火対策強化を呼び掛けている。(成田愛)

茨城新聞社

最終更新:11/14(木) 4:04
茨城新聞クロスアイ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事