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【福島銀の資本提携】先を見据えた改革望む(11月14日)

11/14(木) 9:32配信

福島民報

 経営改革を進める福島銀行(本店・福島市)は、インターネット金融大手のSBIホールディングス(本社・東京都)と資本・業務提携する道を選んだ。貸し出しに回す資金が増え、提供可能なサービスの幅も広がる。長期的な視点で提携効果を高め、災害や人口減少に直面する県内経済を支えるように期待する。

 SBIは福島銀行に十一億一千万円を出資し、筆頭株主として社外取締役を送る。SBIは提携に当たり、必ずしも出資の必要はないと考えていたが、福島銀行が「改革が着実に進む今こそ貸し出しを加速させたい」と増資を望んだ。福島銀行の今期中間決算で、本業収益は五年ぶりの黒字に改善した。融資先数の拡大をはじめ、経営改善策の成果が数字に表れだした。

 業務面では、SBIが豊富に持つ投資信託などの金融商品を販売し、手数料収入の増加を目指す。来年一月をめどに、資産運用を中心とする共同店舗を郡山市の福島銀行郡山営業部内に開設する。金融とIT(情報技術)を融合したフィンテックの導入も進め、来店や印鑑、通帳が不要の預金口座開設などを可能にする。

 人口減少や超低金利の影響で地方銀行の経営環境は厳しい。政府が地銀統合を促す法案提出を準備する中、福島銀行は「銀行同士が一緒になれば規模は大きくなるが、持続可能な新しい事業モデルを築くには限界がある」(加藤容啓社長)とみて、異業種のSBIと手を組んだ。SBIは全国の地銀を集める「第四のメガバンク構想」を描き、すでに島根県の島根銀行とも提携した。構想の成否は見通せないが、福島銀行には災害対応、産業創出などの課題に挑む独自の事業展開を望む。

 十月の台風19号により、多くの県内事業者が打撃を受けた。困った時に融資や経営相談で手を差し伸べる金融機関の役割は重要性を増す。福島銀行は「増資が積極的な貸し出しに結び付き、総額百億円程度の資金需要に応じられる」と説明する。将来の災害に備えるためにも、自己資本の安定を長く保ち、事業者に安心をもたらす必要がある。

 東邦銀行や大東銀行を含め、地銀は県内経済を金融面でけん引する人材の育成も担う。大手との提携は共同店舗の運営、システムの共有などで合理化につながるとみられるが、将来の地域金融を担うプロを育てる責務を強く意識するべきだ。優れた目利きで有望な企業や新事業を発掘し、生産、消費、雇用を呼び起こす。その積み重ねが福島を元気にする。(渡部育夫)

最終更新:11/14(木) 9:32
福島民報

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