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災害ごみ処理進まず 郡山市、操業再開道探る 台風19号から1カ月

11/14(木) 10:11配信

福島民報

 郡山市の東部スポーツ広場には台風19号で浸水した家屋から運び込まれた電化製品や畳、家具などが山のように積み重なり、約七千七百平方メートルの敷地全体を覆い尽くす。「畳は腐って発酵すると発熱し、火災が起きる危険性がある。早く撤去しなければならない」。市担当者は危機感をあらわにする。

 水害発生後、市は衛生、防災の観点から生活圏の災害廃棄物撤去を優先的に進めた。自衛隊の支援を得て取り組んだ。被災地域の住宅地の路上など至る所に積まれていたが一カ月が経過した現在では大部分がなくなった。

 現在、仮置き場を設けた市内各地のスポーツ施設や学校跡に災害ごみが集められている。一カ月で市が回収した約一万三千トンを運び込んだが、いずれも撤去のめどが立っていない。全十カ所のうち、既に八カ所が満杯となり、閉鎖された。

 浸水被害を受けた、ごみ処理施設の富久山クリーンセンターは年内の仮復旧の見通しが示されたが、いまだに稼働できないままだ。もう一つの河内クリーンセンターは、生活ごみの焼却だけでも処理し切れず、一部は他の自治体を頼っている。一人暮らしの高齢者宅などでは片付けがまだ進んでいない世帯もある。今後も廃棄物は出続け、先行きを見通せない。

 東部スポーツ広場の近くに勤務する五十代の男性は「気温が高く晴れた日は臭いがひどい。虫も増えたように感じる」と訴える。仮置き場となっているスポーツ施設は使えず、市体育協会はイベント開催など市民活動への影響を懸念する。

   ◇  ◇

 郡山中央工業団地では多くの事業所が浸水被害を受け、復旧までの道のりは険しい。

 同工業団地会によると、被害を受けたのは、約百三十の加盟事業所のうち八割に上っており、このうち一カ月で事業を再開できたのは三割ほどだ。現時点で被害総額は二百億円を超える見込みで、工業団地関係者には被災事業所の廃業や移転などへの懸念が広がっている。

 産業廃棄物処理業などを担う白川商店は被災後、十一日に金属回収や廃棄物処理など一部事業を再開した。社長の橋本裕さん(42)は「地域のために」との思いで復旧に当たりながら、営業活動にも励む。

 年内の完全復旧を目指しており、行政に対し「防災対策や経営支援策など今後も企業が安心して営業を続けられるようなビジョンを打ち出してほしい」と求め、商工会議所や団地企業と一体になった施策展開を望んだ。(郡山本社報道部・取材班)

最終更新:11/14(木) 10:11
福島民報

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