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格差広げる中高一貫校の隆盛 子供の未来は12歳で決まる【崩壊に向かうニッポンの教育】

11/14(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【崩壊に向かうニッポンの教育】#3

 東大クイズ王として女子中高生に大人気の伊沢拓司さん(25)、テレビで大活躍の林修先生(54)。この2人に共通しているのは、その博識ばかりではない。伊沢さんは開成、林先生は東海という名門の中高一貫校で学んできたことだ。

  ◇  ◇  ◇

 中卒(高等小卒)の本田宗一郎さんが生前にこう語っていた。

「最後まで諦めなかった人間が成功しているのである。長い人生の中で、そのための一年や二年の遅れはモノの数ではない」

 学問も同様で学ぶ年齢に早い遅いはないはず……。そう信じてみたいところだが、今の日本の現実は、小学校を卒業する12歳の段階で、ある程度の道筋が出来上がってしまうようだ。

■全国に595校まで急増

 文科省によると、1999年にわずか4校だった中高一貫校は、2016年には595校(うち国公立が203校)にまで急増。ご三家と呼ばれる「開成」「麻布」「武蔵」のうち、今も高校で生徒募集をしているのも開成のみだ。その開成にしても中学の募集300人に対し、高校は100人と少ない。また、都立の公立中高一貫校10校が全て2022年までに高校の募集を停止する。「一貫教育の中で、将来のリーダーとなり得る人材を育成する」(東京都教育委員会)のが目的だという。大学通信ゼネラルマネジャーの安田賢治氏がこう言う。

「私立も含めて、一貫校の説明会は会場がいっぱいになるほど親の関心が高い。受験制度の変更や私大の難化もあり、『高校受験が無駄』という風潮になっています」

 中学受験をさせる保護者の中には、6年間のメリットを最大限に生かし、子供を海外留学やボランティアに行かせたいと願う人もいるだろうが、大半は「進学に有利」というのが頭にあるはず。実際、東京大学の19年高校別合格者(別表)の上位校は中高一貫校が独占。国公立大医学部もほぼ同じ傾向にある。平成の半ばまで、中流家庭では中学までは公立に通わせ、高校から私立というのが一般的だったが、それでは“遅い”ということになる。

 だからといって誰しもが子供を中高一貫校に入れられるわけではない。

「お金がない家庭で、塾も行けずに公立一貫校にも入れない子供は苦労します」(安田賢治氏)

 学費の安い公立の中高一貫校にしても、厳しい受験を勝ち抜くには、やはり塾代など親の経済力が不可欠なのだ。これが私立の開成中学なら、入学金30万円とは別に月に4万円の授業料もかかる。萩生田文科相は「身の丈」という言葉を使ったが、中高一貫校に通えない貧乏家庭の子は格差が固定されていく。

最終更新:11/14(木) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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