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まるで魂が宿っているかのような夫の遺影に仰天。吉兆か凶兆か、はたまた

11/14(木) 12:00配信

婦人公論.jp

天国へ行っても、現世への未練は断ち切りがたい? 不思議な体験をした人たちの体験談。病気で夫を亡くした恵美さん(仮名)のところには、夫からのメッセージと思えるできごとが――(「読者体験手記」より/イラスト=山本祐司)

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◆突然、額縁写真が落ちてきて

娘が高校3年生の夏、今から6年前のことになる。小学生のときから続けていたバスケットボールの、選手として最後となる大会の初日だった。

2年前に夫を病気で亡くしてから、娘のバスケの試合を応援することが、私の心の支え。その日も、応援しに行くため仕事は休暇を取り、出かける準備をしていた。

そのときだった。隣の部屋から、突然、ガタガタと何かが揺れる音が聞こえてきたかと思うと、カーテンレールの上にのせるように壁に飾っておいた夫の遺影がバタンと落ちたのだった。

「えーっ!」。びっくりして拾いに行くと、写真は夫の顔を上にして落ちていた。地震があったわけでも、強風が我が家の中を吹きまくったわけでもない。

留め具が経年劣化していたにすぎないのかもしれないが、それならあのガタガタとむりやり引きはがすような音はいったいなんだったのだろう。あまりに不自然すぎる。まるで、こちらに気づけよ、という合図のようにしか思えない。

そう思った瞬間、背すじが凍った。夫の霊がそこにいる――その恐怖のためではない。急を要する何かを私に知らせようとしているのかもしれない、と思ったのだ。というのもその前日、娘が自転車で通学中、原付バイクと衝突しそうになったのである。互いに転倒したものの、大事には至らずにすんだのだった。

ひとつまちがえれば、試合どころの話ではなくなるところだった。顧問の先生からは、「お父さんが助けてくれたんだな」と慰められたという。

そのできごとが、とっさに頭をよぎった。これはもしかしたら、昨日以上の凶事が娘に起きるという知らせかもしれない。私は、注意を促すために娘の携帯に電話をかけたが、試合前なのでいっこうに出てくれない。

焦りと不安は募る一方。どうしたらいいかわからなくなった私は、いちばん仲のよいママ友に電話をかけた。

昨日の事故や遺影の件を話すと、「もしかするとご主人、試合を一緒に応援したいんじゃないのかなあ」。

「はっ?」。だが、そう言われてストンと胸に落ちるものがあった。

会場に着くと娘には何ごともなく、やはり夫は一緒に応援したかったのだと思ったら、急におかしくなって、心の中で「まったく、驚かさないでよね」とぼやいてしまった。

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最終更新:11/14(木) 12:00
婦人公論.jp

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