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評価額1800億円のユニコーン企業も。注目集めるケンブリッジのAIスタートアップシーン

11/14(木) 6:00配信

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グーグルが5億ドル(約540億円)で買収した英ロンドンのAIスタートアップ、ディープマインド。欧州内でのグーグルによる買収で過去最高額になったとして大きな話題を呼んだ。

ディープマインドの共同創業者でCEOのデミス・ハサビス氏は2010年に同社を起業する前、AIの知見を深めるためにユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)で認知神経学の博士号を取得。このためディープマインドとUCLには強いネットワークが構築されており、UCLのロンドンにおけるAI研究・AI人材育成ハブとしての地位は一層強固なものになっている。

英国のAI産業を支えるプレーヤーとしてディープマインドとUCLは必要不可欠な存在であるといえるだろう。

一方で、英国のAI産業を見る上で欠かせないクラスターがもう1つ存在する。1953年に世界で初めてコンピューターサイエンス学位プログラムを設置したといわれるケンブリッジ大学を中心とするクラスターだ。

英国のスタートアップ支援メディアTech Nationによると、2015~2018年の英国各都市におけるテクノロジー投資額でロンドンに次いで規模が大きかったのがケンブリッジなのだ。

ケンブリッジのデジタルテクノロジー企業による2017年の売上高は24億ポンド(約3,200億円)。既存企業の事業拡大や起業の増加によって、ケンブリッジのデジタルテクノロジー人材需要も急速に伸びている。このような状況下、大型の資金調達を達成し、世界展開を加速するAIスタートアップも増えている。

活況を呈するケンブリッジのAIスタートアップシーン。その最新動向をお伝えしたい。

AIでサイバー攻撃自動検知、ケンブリッジ発AIユニコーンDarktrace

2013年にケンブリッジ大学の数学者らによって設立されたAIサイバーセキュリティ企業Darktrace。機械学習を活用し、脅威の検知から対抗策の実行までを自動で行うシステムを開発している。

世界中でサイバー攻撃の頻度や損失額の増大が見込まれる中、同社が開発するAIサイバーセキュリティシステムへの期待は非常に大きなものになっている。クランチベースのデータによると、Darktraceのこれまでの資金調達額は2億3000万ドル(約250億円)。評価額は16億5000万ドル(約1800億円)とユニコーンのステータスを獲得するまでに至っているのだ。

同社ウェブサイトによると、すでに世界40カ所にオフィスを開設、従業員数は900人以上。サービスは110カ国以上で展開しているという。

アドバザリーボードには、元CIA最高情報責任者のアラン・ウェイド氏や英情報機関MI5で長官を務めたことのあるジョナサン・エヴァンズ氏などそうそうたるメンバーが名を連ねている。

Darktraceの最高技術責任者であるジャック・ストックデール氏は、ケンブリッジ大学においてベイス理論に基づいた数式モデルとAIアルゴリズムを研究しており、この成果が同社のAIサイバーセキュリティシステムの根幹になっている。

サイバーセキュリティ・ベンチャーズによると、世界中でサイバー犯罪がもたらす被害総額は2015年に3兆ドル(約324兆円)だったが、2021年までに6兆ドル(約648兆円)に拡大する恐れがあるという。サイバーセキュリティ人材不足問題は当面解決しないとも見られており、Darktraceへの注目は今後も高まっていくことが予想される。

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最終更新:11/14(木) 6:00
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