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【特集】「来年、再来年が不安。安定がほしい」 宝塚市の“就職氷河期世代”採用試験...受験者が語る実情

2019/11/14(木) 15:52配信

MBSニュース

「就職氷河期世代」の特徴について、専門家はこう話します。

「“日本という国は立派なものだ”という刷り込みの元で育ってきた。先輩たちの話を聞いていると、内定を断らないようにディズニーランドに連れて行ってもらうとかハワイに連れて行ってもらう話がたくさんあるわけですよ。その中で突如バブル崩壊した。親みたいになれない感覚を味わった戦後で初めての世代だと思います。社会への鬱積した感情が特に沈殿している。」(甲南大学文学部 阿部真大教授)

Aさんは大学3年から4年の2年間にわたり就職活動をしました。受けた企業数は約150社、しかし内定はゼロ。公務員試験も受けましたが、全て不合格でした。

「それほど悪くない一生食べていける会社に入れるだろうなという期待を持っていましたね。大学の3年生になるころから先輩が内定取り消しなったという話を聞いて『あれ?おかしい』という感じで。思ったほど簡単ではないなと。」(Aさん)

「一度も安心して働いた記憶はない」

Aさんは大学を卒業後もバイトをしながらハローワークに通いつめました。同級生が社会人として働く中、日に日に不安や焦りが募りました。そして約10か月後、ようやく1つの会社から初めて内定をもらいました。

「先の見えない状況が終わってくれたんだと、ただただそれだけでしたね。『まさか大学を卒業してもアルバイトで食べていくつもりか』と親から真顔で言われてこともありましたし。ホームレスの人や廃品回収のリヤカーを引いたおじさんを見るたびに、ひょっとしたらあのような世界に陥るのではないかと、そこまで思い詰めていました。」(Aさん)

しかし、バブル崩壊後の日本経済はどん底。やっと入社した会社は不況で傾きかけ、Aさんは2年で転職しました。次の会社も景気のあおりを受けリストラ寸前に。現在は製薬会社で働いていますが、これまでの人生で一度も安心して働いた記憶はないと話します。

「(Qご家族は?)残念ながら独身のままで。若いころは生活が安定したら結婚もしたいし子どももほしいと思ったんですけど、安定が結局来なかった。結婚相手や子どもを抱えて転落してしまったら本当にどうしようもないという不安感や恐怖心が付きまとって…結婚できる身分かというと諦めるしかない感じですね。」(Aさん)

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最終更新:2019/11/23(土) 13:31
MBSニュース

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