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飛行機に乗るのは「恥」? グレタさんの国、スウェーデンでは「飛び恥」「鉄道自慢」の新語が流行中

11/14(木) 12:16配信

ハフポスト日本版

16歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが、ニューヨークで開かれた国連の気候変動会議に出席するためにヨットで大西洋を横断したことが大きな話題になった。12月にスペインで開かれる会議でもヨットを利用するという。

飛行機ではなくヨットを使うのは、フライトによる大量の温室効果ガス排出を大幅に抑えるためだという。

こうしたアクションは、グレタさんのような活動家だけのものではない。彼女の母国・スウェーデンでは今、飛行機に乗ることが温暖化を悪化させてしまうという知識が広まり、鉄道で移動する人が増えているのだ。

自分ひとりが飛行機に乗らないぐらいで本当に意味があるのだろうか?

スウェーデンでNPO「Vihallerosspajorden(私たちは、地面にとどまる)」を立ち上げ、飛行機利用を減らす呼びかけを続けるマヤ・ロセーンさんに話を聞いた。

ーー飛行機の利用がそんなに地球に悪い、ということを知りませんでした。

温暖化について考えた時、飛行機はとても重要な要素です。

自転車通勤とか、肉を食べないとか、古着しか買わないなどと環境に優しい生活をしているつもりの人がいますが、実は1度の空の旅だけで全て台無しになると言っても過言ではありません。

スウェーデン人は平均して1年に1回程度、飛行機での海外旅行をします。片道の平均が約2700キロ(名古屋から香港ぐらい)で、その温室効果ガス排出量は二酸化炭素換算で1トンに達します。これは自家用車の1年間の排出量とほぼ同じなんです。

スウェーデン人の一人当たり温室効果ガス排出量は年間10トンですが、当然これを完全にゼロにすることは不可能です。人間であれば、食べなければいけないし、住宅も必要。全て二酸化炭素を排出する行為です。

でも旅行は、絶対に飛行機である必要はないですよね。ここは努力ができるところだと思います。

ーー自分ひとりが飛行機に乗らないぐらいでは何も変わらない、という気がしてしまうのですが、どうでしょうか?

私はいま、2020年の1年間飛行機に乗らないと宣言する人たちを募る「Flygfritt2020(飛ばない 2020)」というキャンペーンをFacebookで展開しています。

もちろん、自分が排出量を減らしても何も変わらないと思っている人もたくさんいますが、もしこのアクションが10万人に広がったら? 明らかにインパクトのある削減量になりますし、世界的に注目されるに違いありません。

今、参加してくれているのは6000人。スウェーデン人は一度約束したことに対してすごく真面目だから、まだまだ躊躇している人もいるのかなと思いますが、2020年までにはまだまだ増えると思います。国内の機運もかなり高まっていますしね。

2019年は、10月まででスウェーデンの国内線フライトの運行が昨年と比べて8%減りました。そのかわり、列車に乗る人が増えていて、旅行のハイシーズンである7月~9月は前年比15%アップしています。

多くのスウェーデン人にとって、飛行機での旅行は自慢の対象ではなくなりました。ヨーロッパを移動する際には、鉄道を利用するのが一種のトレンド。

「飛び恥(Flygskam/ 英語ではflight-shaming)」「鉄道(列車)自慢(Tagstolthet/英語ではTrain Pride)という言葉ができているくらいです。

個人旅行だけでなく、ビジネスでの出張を減らそうという動きもあります。年間の出張を半分にしようと読者に呼びかけるビジネス誌もありますし、私の周りのビジネスパーソンたちも、国際会議を減らしたり、なるべくスカイプに切り替えたりすればいくらでも対策できそうだと話しています。

ーーローセンさんがこの活動を始めたのはなぜですか?

私はもともと飛行機に乗るのがとても好きだったから、ずっとこの問題に目をつぶってきました。

でも2007年にノルウェーのロフォーテン諸島を訪ね、溶け始めている氷河を目の当たりにした瞬間、雷に打たれる思いがしました。

目の前に広がる大自然を見ながら、私が飛行機に乗ってここまで来たことで、この美しさを壊していると気づき、非常に居心地が悪くなりました。

その翌年、飛行機には2回乗りましたが、罪悪感が湧きすぎて…。それで、もう乗らないと決意しました。それ以来どこかに行く時には、電車に乗るか、どうしても電車がない田舎などでは仕方なく、車で行くようにしています。

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最終更新:11/19(火) 16:28
ハフポスト日本版

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