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魔法のランプ「無駄にしないで」 ノーベル平和賞のユヌス氏 日本の中高生ら激励

11/14(木) 23:26配信

THE PAGE

 貧困層への少額融資(マイクロクレジット)を行う「グラミン銀行」を創設し、ノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が14日、東京都港区の日本財団で、日本の中高生約15人らと懇談した。この中で、現在のテクノロジーをアラジンの魔法のランプに例え、「みなさんはそのランプを持っている。(願いを叶えてくれる)ジーニーを使えるのだ。(ただ)ジーニーは命令しないと活躍しなくなる。このパワーをどう使うか。活用しないと無駄になってしまう」と訴えた。

 懇談は約1時間に及んだ。集まった生徒らはいずれも社会貢献事業に携わっている、あるいは今後携わっていく意志のある面々。生徒からは「社会貢献をする上で何を大事にしてきたか」や「世界の学生とつながるのはどうしたらいいか」などの質問が出た。

 ユヌス氏は自身の経験から、「マイクロクレジットを始めた当時、みんなに『間違っている』と言われたが、私は正しいと思ったので続けた。正しいと思ったら自分の道を進んでください。上の世代が作った古い道は古い目的地にしか辿りつかない」などと語り、中高生らが自らの考えや意志に基づいて積極的に活動していくよう背中を押した。

 そして、「究極のいいアイデアはいつも出るわけではない。車も最初は今のような形ではなかった。馬車から馬がいなくなり、エンジンを入れた。(その後も)アイデアが反映されていくことで、より魅力的で効率的なものになっていった。ソーシャルビジネスでも同じで、まずは暫定的なアイデアをあげていくこと(が重要)」と話した。

 ユヌス氏は「(社会に横たわる)問題は大きく見える。15歳16歳だと『私は何ができるだろう』と思うだろう、と思う。しかし、みなさんが若いということは不利ではない。むしろ有利だ。大人になるにつれて考え方も歳をとっていき、マインドがいつも同じところをぐるぐるまわっていく。若い頭脳は新鮮で、色んな可能性がある」と述べ、若さが武器であると訴えた。

 汚染されていない水を貧困層にいかに届けるか、という問題を例に出し「多くの人に水を届けることはできないかもしれないが、10人にきれいな水を届けることなら自分にもできる。それも簡単で、効率的な方法で。それを考えられれば世界を征服できる。周りが真似していく」と持論を展開した。

 また、79歳のユヌス氏は、自身が10代だったころと決定的に異なるのはテクノロジーの変化だと強調。「テクノロジーは力だ。(かつては)手紙を封筒に入れて、切手を貼って、ポストに入れて、何日も何カ月も待ってようやく返事が来る。みなさんの場合はすぐに返答がくる。人類の歴史の中でもっとも力がある世代だと思う。その力があると自覚しているか」と生徒らに問うた。

 そして、こうも語った。

「世界をこうしたい、今の世界は嫌だと若い人が言えば世界は変わる。ジーニーがみなさんの命令を待っています」

最終更新:11/18(月) 18:48
THE PAGE

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