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「日本よ、後ろめたいところなければ堂々と出てこい」法廷で叫ぶ慰安婦被害女性

2019/11/14(木) 7:44配信

ハンギョレ新聞

日本政府相手に損害賠償訴訟、初の口頭弁論 がらんとした被告席…「責任回避」糾弾

 「私には何の罪もありません。14歳で日本に連れて行かれ、あらゆる拷問を受けて帰って来ました。裁判長、日本に後ろめたいところがなければ、この裁判に出てくるべきなのに、出てこない日本にこそ罪があります」

 日本軍「慰安婦」被害者のイ・ヨンスさんは法廷の床にひざまずいた。13日、日本政府を提訴してから3年、ようやく開かれた初の口頭弁論で、イさんの泣きながらの訴えがソウル中央地裁558号法廷に響いた。「イスに座って話してください」という裁判長の引き止めも、イさんをを支えようとする法廷警備員と弁護士の手も振りはらって、イさんは言葉を続けた。「雨の日も雪の日も、30年間日本大使館の前で叫んできました。真相究明、謝罪、賠償…。90を過ぎてもこのように叫んで生きてきました。裁判長、賢明な裁判長、お察しください」。

 この日、ソウル中央地裁民事15部(ユ・ソクトン裁判長)の審理で、日本軍「慰安婦」被害者たちが日本政府を提訴した損害賠償請求訴訟の初の口頭弁論が開かれた。日本政府が座るべき被告席は空だった。日本政府は裁判を拒否している。この日、日本軍「慰安婦」被害者のイ・ヨンスさん、キル・ウォノクさん、イ・オクソンさんは、車椅子に乗って、杖をついて出廷した。イさんらは責任を回避する日本政府を糾弾し、日本軍「慰安婦」問題に対する法的責任を問うてほしいと裁判所に訴えた。

 イさんら日本軍「慰安婦」被害者と遺族21人は、韓日日本軍「慰安婦」合意1年後の2016年12月、日本政府に対して損害賠償請求訴訟を起こした。しかし、これまで裁判は一度も開かれなかった。日本の裁判所に訴状が届かなければ訴訟は開始されないが、日本の外務省が2017年4月から3回にわたって書類の受け取りを拒否したためだ。日本政府が裁判を拒否している間に、訴訟に参加した11人の生存被害者のうち、キム・ボクトンさん、クァク・イェナムさんら6人が世を去った。結局、今年3月に裁判所が日本政府に公示送達(裁判所の掲示板に公示して書類が届いたものとみなす制度)を決定し、5月にその効力が発生したことで、この日の初の口頭弁論が開かれることになった。日本政府を韓国の裁判所に提訴した訴訟のうち、弁論期日が指定されたのは今回が初めてだ。

 日本政府が掲げる裁判拒否の名分は「主権侵害」だ。5月に日本は「国際法上の主権免除(国家免除)原則に則り、日本政府が韓国の裁判権に服することは認められない」として、訴訟は却下されるべきとの立場を韓国政府に伝えてきた。主権免除は、国内の裁判所は他国を相手にした訴訟において民事裁判権を行使できないという国際法上の原則だ。この日の裁判で、日本軍「慰安婦」問題対応TF所属のイ・サンヒ弁護士は「重大な人権侵害に対する国家免除を認めた国際慣習法は憲法的価値を損なうとした国際判例がある」と指摘し、「日本軍『慰安婦』被害者の実体的な権利を判断しないのは賠償権実現を妨げ、憲法秩序に反する。被害者の年齢を考えれば、事実上最後の訴訟だろう。日本の反人権的犯罪があったことを司法が公式に確認してくれることを望む」と語った。

 裁判は20分あまりで終わった。被害者側は、日本軍「慰安婦」被害者の証言を記録した専門家と主権免除理論などを論駁する日本の法学者などを証人に申請することを明らかにした。次の口頭弁論は来年2月5日に開かれる。
コ・ハンソル、チャン・イェジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:2019/11/14(木) 7:44
ハンギョレ新聞

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