ここから本文です

「銀河鉄道999」松本零士 不条理な現実を生きる若者たち 【あの名作その時代シリーズ】

11/15(金) 18:00配信 有料

西日本新聞

航空機の光跡が夜空に浮かぶ。それはまるで広大な宇宙を旅する銀河超特急999号と重なって見えた(多重露光)

 「あの名作その時代」は、九州を舞台とした作品、または九州人が書いた著作で、次代に残すべき100冊を選び、著者像や時代背景、今日的な意味を考えながら紹介するシリーズです。西日本新聞で「九州の100冊」(2006~08年)として連載したもので、この記事は08年1月27日付のものです。

**********

 〈明日の星には
  明日の人間が住むと人はいう…
  いつも夜空には
  明日を信じる明日の星が
  数かぎりなく輝いていると人はいう〉

 「銀河鉄道999」が漫画週刊誌に連載されていたころ、私は小学生だった。家には兄が買った単行本が確か全巻あって、ちょくちょく読んでいた。

 天涯孤独の少年星野鉄郎が謎の美女メーテルとともに銀河超特急999号に乗って広大な宇宙を駆け巡る、胸踊るSF冒険活劇-のはずだが、子どもながらに痛快さより、物悲しい読後感を得た記憶がある。二十数年ぶりに読み返してみた。

 舞台はいつとも知れない超未来。人類は全身を機械化して永遠の生命を手にし、全宇宙に広がっていた。だが機械の身体を買えない貧しい者は機械人間に虐げられ、その生命さえもてあそばれていた。

 第一話〈出発(たびだち)のバラード〉で、鉄郎は「人間狩り」を楽しむ機械人間の一団に母を殺される。母は鉄郎に、999号に乗って「機械の身体がただでもらえる星」に行くよう言い残し息絶える。鉄郎はどこからともなく現れたメーテルに助けられ、銀河鉄道に自由に乗れるパスをもらう。鉄郎は誓う。「機械の身体を手に入れて帰ったら、地球の機械人間どもを皆殺しにしてやる」

 鉄郎とメーテルの旅が始まる。目指すは機械の身体をただでくれるという、二百万光年かなたの大星雲アンドロメダ-。

 松本零士が戦後、少年期から思春期を過ごした北九州市小倉北区長浜町を訪ねた。 本文:2,955文字 写真:1枚

続きをお読みいただくには、記事の購入が必要です。

すでに購入済みの方はログインしてください。

  • 税込220

    PayPay残高使えます

サービスの概要を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。 購入後に記事が表示されない場合はページを再度読み込んでください。 購入した記事は購入履歴で確認できます。

西日本新聞

最終更新:11/15(金) 18:00
西日本新聞

おすすめの有料記事

PayPay残高使えます

もっと見る

Yahoo!ニュースからのお知らせ