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太陽系の“外”からの来訪者は何を語る? 天文学者垂涎の「第二の恒星間天体」が近く最接近

2019/11/15(金) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

2年ぶり、2度目の来訪の“怪”

恒星間天体はもともと数百年に1度、あるいはもっと低い頻度でしか太陽系にやってこないと考えられていた。それがなぜ、2年に1度という高頻度で太陽系にやってきているのか。

この問題は、現状では解き明かせない非常に大きな謎だ。

「世界中の誰もが、こんな頻度で恒星間天体がやってくるだなんて思ってもいませんでした。サンプルが2例なので、今回がたまたま偶然によるものなのか、あるいは我々が気づいていないだけで実はこういう天体が稠密(ちゅうみつ)に銀河系を埋め尽くしているのかどうかは分かりません。ただ、今のところ多くの天文学者はただの偶然だと思っています」(渡部博士)

しかし、もし2年に1度という高頻度での恒星間天体の来訪が、奇跡的な偶然ではないのだとすれば、天文学にあたえる影響は計り知れない。

もともと、宇宙には目には見えないけれども質量をもつ正体不明の物質として「暗黒物質」(ダークマター)の存在が示唆されている。

「かつては恒星間天体がダークマターの候補の1つとしてあげられていました。しかし、観測例がなかったので、仮に存在していたとしても量的には少ないだろうと思われていました」(渡部博士)

「たった2例」の観測では具体的なことは言えないが、恒星間天体が3例目、4例目と続けて発見されるようになれば「これまで正体不明だと考えられてきたダークマターのごく一部として、恒星間天体を無視できなくなるかもしれません」と渡部博士は語る。

科学者にとって、「未知」の存在は発想力を掻き立てる原動力となる。

ボリソフ彗星の観測は2020年の10月まで続けられる見込みだ。予期せぬ来訪者は、天文学者たちに一体何を伝えてくれるのだろうか。

(文、三ツ村崇志)

三ツ村 崇志

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最終更新:2019/11/16(土) 0:01
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