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サクラエビ、駿河湾のみは本当? 相模湾でも漁獲、地元小田原中心に流通 定説覆る可能性

11/15(金) 7:23配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 駿河湾で記録的不漁が続くサクラエビがここ数年、神奈川県の小田原港(小田原市)で水揚げされている。主に同市の沖合約1キロの定置網で、回遊魚などに交じって捕れる。“相模湾産”サクラエビは小田原魚市場で1キロ当たり数千円ほどで取引され、地元の鮮魚店やスーパーが競り落とす。分布域や資源量は未解明だが、今後の漁獲の推移によっては、国内で水揚げして取引されるのは「駿河湾のみ」との定説が覆る可能性がある。

 9日早朝の小田原港。漁船が岸壁に着くと、乗組員や小田原市漁協の職員が慌ただしく魚の水揚げと仕分けを始めた。明かりの下、本県でなじみの赤く輝くサクラエビに交じる小魚やごみを丹念に取り除き、箱に詰めて市場の競りに出した。

 漁協などによると、サクラエビが入る定置網は主に同市西部の米神(こめかみ)や石橋地区の沖合、水深40~70メートルほどの海域。消費は近隣の飲食店が中心だが、鮮魚店では地場の海産物として売れ行きは良いという。

 同県水産技術センター相模湾試験場(同市)のまとめでは、県西部の相模湾で捕れ小田原市場に出回るサクラエビは、2014年以降では17年の586キロが最多。漁獲がほぼない年もあり変動が激しい。今秋は数キロから数十キロ水揚げされる日が断続的にあり、例年より多い。

 専用の網による漁獲ではないため、本来の魚種との仕分けなど手間が掛かるが、魚価が見込めるため市場に出る。地元の定置網漁船の乗組員草野洋佑さん(29)は「市場に出すほど捕れるようになったのはここ数年ではないか」と語る。

 漁業資源の減少は相模湾でも課題で、サクラエビは漁業者の貴重な収入源となる可能性を秘める。漁協の高橋征人組合長(76)は「現状では相模湾にどのくらいいるか分からない。試験操業などの形で調査してみる価値はある」と話した。



 <メモ>サクラエビは昼間、水深200~350メートルに生息し、日没にかけて20~60メートルに浮上する「日周鉛直運動」を行う。神奈川県水産技術センター相模湾試験場の担当者によると、同湾は水深1000メートル以上に達する場所があり、生息に適した環境とみられる。相模湾での研究はほぼ手つかずで、湾西部を中心に分布していること以外、生態は不明な点が多いという。

静岡新聞社

最終更新:11/15(金) 13:45
@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

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