ここから本文です

日本企業の後継者問題は改善傾向、不在率65.2%に低下 官民の支援影響、「M&A型事業承継」の浸透も

11/15(金) 15:30配信

帝国データバンク

最大約650万人分の雇用、約22兆円のGDP喪失が危惧される日本企業の「後継者問題」

 地域の経済や雇用を支える中小企業。しかし、近年は後継者が見つからないことで、事業が黒字でも廃業を選択する企業は多いと見られている。日本政策金融公庫によれば、60歳以上の経営者のうち50%超が将来的な廃業を予定。このうち「後継者難」を理由とする廃業が全体の約3割に迫る。

 経済産業省の試算では、後継者問題が解決しない場合、2025年頃までに最大約650万人の雇用と約22兆円分のGDP(国内総生産)が喪失されるとしている。地域経済の衰退や雇用喪失のインパクトが大きいことから、後継者問題は喫緊の課題として国や県、地域金融機関などが中心となってプッシュ型の事業承継支援を積極的に推し進めている。

日本企業の後継者不在率、低下傾向で推移 事業承継適齢期の60代では過去最低を記録

 約27万5000社(全国・全業種)の後継者不在状況は、全体の約65.2%に当たる約18万社で後継者不在だった。
 社長年代別では、前年(2018年)と比べ全ての年代で後継者不在率が低下した。特に、「40代」以降の後継者不在率は調査開始以来で最低を記録したほか、「60代」では初めて後継者不在率が50%を下回るなど低下傾向が強まった。

地域別では「北陸」は3年ぶりに、「関東」「中部」は2年連続で低下したが、「四国」・「九州」は4年連続、「東北」は3年連続で上昇した。都道府県別では、「沖縄県」が全国平均(65.2%)を大幅に上回る82.9%で全国トップ。しかし、2016年(86.2%)をピークに3年連続で低下した。このほか、「鳥取県」(76.0%)は2018年から3.7ポイント上昇して全国2番目の高水準。2018年から低下したものの「山口県」(74.7%)、「広島県」(73.1%)、「島根県」(70.9%)など、上位10県中4県が中国地方で占められた。このほか、「秋田県」(69.0%)は3年ぶりに、「大分県」は(68.8%)調査開始以降初めて全国上位10番目に位置する高水準となった。「和歌山県」(43.0%)は3年ぶりに全国で最も低くなった。

 この結果、2018年と比べて後継者不在率が低下した都道府県は28、上昇は19だった。特に関東では1都6県すべてで前年比低下、中部は「岐阜県」を除く5県、近畿も「滋賀県」を除く5府県全てで前年から低下した。主に関東~近畿にかけて後継者不在率は低下した。

1/3ページ

最終更新:11/15(金) 15:44
帝国データバンク

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ