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今度は”BB級“ヒーロー!?ジェームズ・ガンが作るユニークで“クセ強すぎ”なヒーロー映画たち

11/15(金) 7:30配信

Movie Walker

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(19)が世界最高興収記録を打ち立てるなど、ヒーロー映画の全盛期とも言える現在。そんなご時世に中指を立てるかのように“もしもスーパーマンが邪悪だったら…”という題材を描いているのが、本日より公開となった『ブライトバーン/恐怖の拡散者』だ。

【写真を見る】おじさん、負け犬集団…ジェームズ・ガンの描くヒーローのクセがすごい(『ブライトバーン/恐怖の拡散者』)

この意欲作の製作総指揮を務めるのが、マーベルとがっつりヒーロー映画を作ってきたジェームズ・ガン。思い返せばガンは、これまでもヒーローを題材に一筋縄ではいかないの数々の作品をつくり上げてきた男だ。ということで、彼のフィルモグラフィーをここで振り返っていきたい。

■ ヒーロー作品なのに一切戦わない!?『MISII メン・イン・スパイダー2』(00)

いい意味であまりにくだらないことから“Zムービー”と愛される作品を生み出してきた、トロマ・エンターテインメントでキャリアをスタートさせたガン。トロマ仕込みのホラーやブラックジョークを得意とする彼が、キャリアの初期に脚本を手掛けた『MISII メン・イン・スパイダー2』も、らしさが詰まったヒーロー映画だ。

本作は、世間からB級とバカにされるヘンテコなパワーを持つ落ちこぼれヒーロー戦隊“スペシャルズ”の姿を描くもの。アベンジャーズやジャスティス・リーグなどのスーパーヒーロー集団をパロッた作品だが、その大きな特徴は、ヒーローものにもかかわらず、なんと戦闘シーンが無いという点!

ではどんな作品なのかというと、スペシャルズが彼らをモチーフにしたフィギュアの出来栄えや新たにメンバー入りした女の子についてなどを話し合う、たわいのない会話ばかりが展開していくコメディだ。危機が訪れて、いよいよ戦うのかと思いきや…その戦いの様子をのちにヒーローの口から言葉で語らせて終わるという、ガンらしいユーモラスなアイデアが詰まった1作となっている。

■ “シャラップ、クライム!”冴えないおじさんがヒーローになり悪を討つ!『スーパー!』(10)

監督・脚本作『スーパー!』は、気弱で真面目な主人公フランクが、セクシーなドラックの元締めを追って家を出てしまった愛する妻を取り戻すため、自作のヒーロー“クリムゾンボルト”と名乗り、街にはびこる悪を始末していく…という内容のヴィジランテムービーだ。

お手製コスチューム&配管用レンチという姿でサイドキックのボルティーと共に街をパトロールしていくクリムゾンボルトだが、そんな手作り感満載の姿とは裏腹にレンチで頭をかち割ったりとやっていることはかなり凄惨であり、ゴア描写も満載。さらには列への割り込みや車へのいたずらなど、ちんけな悪人までも容赦なく半殺しにしたり…。

はたから見たら正義の名の下に行われる暴力としか思えないような行為を行うクリムゾンボルトの狂人っぷりなど、既存のヒーローものとは一線を画している問題作。ともあれ冴えないおじさんが、ムカつく悪人たちを片っぱしから叩きのめしていく姿は最高だ!

■ 自分勝手な負け犬たちがヒーローチームを結成!『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』

ガンのヒーロー映画の最大の特徴といえば、これまでの作品もそうだが、社会からあぶれた負け犬たちが主人公というところ。その点が最も色濃く出ているのがご存知『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズだ。

様々な事情を抱えた、はみ出し者たちがチームを組み銀河の危機を救うという本作。全員が犯罪者であるがゆえに嬉々として悪いことをしたりという清廉なヒーローたちとは真逆のキャラクター像が観ていて楽しく、そんな個性が強すぎるが故になかなかうまく噛み合わない彼らだからこそ、一つのチームとしてまとまっていく様子も感動的だ。

過去の不適切な言動により、一時期マーベルから外されていたガンだが、またカムバックし『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の3作目を手掛けることも決まっており、そちらもいまから楽しみだ。

■ もろに「スーパーマン」かと思いきや…『ブライトバーン/恐怖の拡散者』

そしてこのたび公開となった『ブライトバーン/恐怖の拡散者』は、スーパーパワーを持つ子どもが悪に目覚め、とある田舎町を恐怖のどん底に突き落とすというホラーだ。子どもに恵まれない夫婦の自宅近くに宇宙から飛来物がやってくるとその中には赤ちゃんが眠っており…というまさに「スーパーマン」を思わせるような展開で幕をあけたかと思えば、徐々に力に目覚めと一気にホラーな展開へと加速してく。

目からビームを出したり、空を自由に飛べたりというまんま「スーパーマン」な能力を活かしたアクションは見応え抜群。さらに主人公が学校でいじめられており、世間からあぶれているというキャラクター像や闇落ちのきっかけが女の子などのこじんまりとしたスケール感、そして畳み掛けるような情け容赦ないゴア描写など、ガンらしいテイストも詰めこまれている。アンチヒーロー的な姿勢の意欲作となっているので、ぜひスクリーンでチェックしてほしい。

これらの作品のほかにも、ヒーローではなくヴィランたちのチームを描くDCの『スーサイド・スクワッド』(16)の続編も手掛けるなど、我が道を突き進みまくるジェームズ・ガン。今後の活躍にも大いに期待だ!(Movie Walker・文/トライワークス)

最終更新:11/15(金) 7:30
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