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楽天2位・黒川史陽 センバツ制覇の父から受けた英才教育

11/16(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【19年ドラフト選手の“家庭の事情”】#5

 黒川史陽(楽天2位)

 ◇  ◇  ◇

 まさに野球一家だ。

 父・洋行さん(44)、母・枝里子さん(50)との間に、次男・史陽のほか、長男・大雅さん(20)、末っ子・怜遠さん(16)の3兄弟をもうけた。3人の息子は、いずれも高校野球の強豪高校でプレー。主砲として智弁和歌山を牽引した史陽はもちろん、現在、九州共立大学に通う大雅さんは日南学園(宮崎)で春夏連続出場。末っ子の怜遠さんは今春、星稜(石川)に入学した。

「息子たちには『甲子園は出場して当たり前』と言い続け、決して高い目標、憧れの場所とは位置付けなかった」と話す洋行さんの経歴も華やかだ。上宮(大阪)では主将(1番・二塁)を務め、93年のセンバツ制覇。同志社大からミキハウスに進み、都市対抗にも出場した。8年間、コーチを務めたセガサミーではDeNA・宮崎敏郎(12年ドラフト6位)ら、3人の野手をプロに輩出している。今オフ就任した楽天の三木肇監督は上宮高の2年後輩だ。

 洋行さんは幼い子供たち3人に甲子園の優勝など自身の経験を伝えるとともに、学校から帰宅後は野球漬けにした。キャッチボールや素振りなどの技術向上はもちろん、毎晩、巨人戦や阪神戦のテレビ中継を見ながら野球IQを高めさせた。

「投手の配球や状況に合わせた打撃を考えさせるようにしました。自分自身の経験も踏まえて、投手や捕手の心理まで分析するなど、専門的なことにまで踏み込んだ。当時は難しかったでしょうけど、しっかりと考えてプレーする下地はできたと思います」(洋行さん)

 黒川は智弁和歌山高では2年時に、当初の二塁から遊撃にコンバートされても、ソツなくこなした。

「遊撃手の動き方などは脳にしみ込んでいたのかもしれません。史陽に限らず、息子たちには『おまえら3人は本当にすごい』と、とにかく持ち上げてきた。打者ならチャンスに強く、投手ならピンチの場面で抑えられるように“洗脳”してきたことも、今につながっているのかもしれません」(洋行さん)

 洋行さんは2013年を最後にセガサミーのコーチを退任し、地元の奈良県に戻って室内バッティングセンター「王寺ドームスタジアム」を開業。施設のオーナーの依頼を引き受けたもので、建物の建設費など初期費用はかからず、月々の賃料を支払っている。野球教室も開いており、現在は小、中、高合わせて約150人の生徒を抱える。これまで、智弁和歌山、履正社、天理といった名門野球部に進学した教え子もいるという。

 3人の息子は、いずれも私学で、しかも長男は福岡、三男は石川と地元を離れている。

「中には特待生で入学した子もいますが、学費、寮費など何かとお金がかかります。高校は月に20万円かかることもありますが、息子たちが夢や希望をかなえるためには仕方のないことです(笑い)」(洋行さん)

 黒川は4日に、契約金6000万円、年俸650万円で合意。「プロで一流になって、お父さんに恩返しがしたい」と話した。洋行さんから受けた講義も含めて授業料を返納できるか。 (あすはヤクルト1位・奥川恭伸)

◇くろかわ・ふみや 2001年、奈良県河合町生まれ。河合第一中時代に所属した泉州阪堺ボーイズで全国大会に出場。野茂ジャパンの代表選手に選出され、アメリカ遠征を経験した。智弁和歌山では1年夏から5季連続甲子園出場。強打の二塁手として注目を集める。182センチ、85キロ。右投げ左打ち。

最終更新:11/16(土) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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