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月額980円で見放題“授業動画サービス”で難関大合格目指す【崩壊に向かうニッポンの教育】

11/16(土) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【崩壊に向かうニッポンの教育】#5

 公立中学生が通う塾の費用は、学年が上がるにつれて増え、3年生は32万2386円(「子供の学習費調査」文科省、2016年度)。子供の受験のためには仕方ない出費だろうが、萩生田光一文科相の「身の丈発言」に照らすと、毎月3万円ほどの塾代を負担できない家庭は、子供の進学も危うくなる。

 では、経済力が弱い家庭は、子供の学費をどうやりくりするか――。

 ◇  ◇  ◇

 月額980円という激安でオンライン学習サービス「スタディサプリ」を運営しているのは、リクルートマーケティングパートナーズだ。

 小学4年から高校3年までが学ぶ5教科18科目の単元を15分程度のチャプターに分け、有名予備校などの人気講師が解説。1単元を3つか4つの動画でマスターできる寸法だ。全学年の4万本を超えるすべての動画が何度も見放題という。

 980円で受けられるのは「ベーシックコース」で、中学講座の場合、全教科の動画の利用と英数のテキスト冊子が付く。国理社のテキスト冊子を希望すると1冊1200円(オンラインPDFは無料)。担当コーチに相談、質問したり、定期テスト対策や本番の受験対策を受けたりするには、「個別指導コース」への加入が必要だ。その料金は月額9800円だが、それでも一般的な塾代の3分の1程度で済む。高校も同様で、980円のプランも9800円のプランも動画は見放題。9800円の「合格特訓コース」は、コーチのサポートや学習プランの作成を受けられる仕組みだ。HPでは、スタディサプリのみで難関の防衛医大や中央大文学部に合格した会員が紹介されている。

 超格安で合格に導く秘密は、どこにあるのか。スタディサプリ教育AI研究所所長の小宮山利恵子氏に聞いた。

「勉強に興味を持たせるには、意欲の喚起とその持続が欠かせません。それが自分でできるトップレベルの学生は、ベーシックで問題ないでしょうが、そうでない学生には意欲の喚起を促す仕組みが大切。その役割を担うのが、9800円のプランに組み込まれたコーチたちなのです」

■コーチのサポートと明確な目標設定

 コーチは、生徒が目指す志望校やゴールに合わせて1週間のプランを作成。分からない問題があれば、生徒はチャットで質問できる。

 さらにはコーチから働きかけて、生徒のヤル気を刺激することもあるという。

「たとえば、英単語は覚えたつもりでも、すぐに忘れてしまいます。そういう忘却曲線を考慮しながら、コーチが英単語の復習を提案。もちろん、他の教科でも効果的なタイミングで復習をアドバイスします。適切な段階で復習すれば、問題をきっちり理解できるので、生徒のヤル気がアップするのです。コーチのレベル?難関大学の学生です」

 そうやってそれぞれのゴールを目指すという。高校に上がると、一つの単元でも、東大、京大レベルの内容からスタンダードレベルまで3段階に分かれる。できる生徒はどんどん先に進んだり、難しい動画を選んだりできるし、分からない生徒は前に戻ることもできるのがメリットか。

「サプリのみで難関大や高校に合格する人は、一つの傾向があります。目的意識が明確なのです。そういう人はゴールと現在の学力のギャップがハッキリしています。サプリには、それを埋めるための材料が揃っているので、各自がチョイスしながらギャップを埋めることで、学力が身につくのです」

 同社のHPには、塾代が浮いたおかげで、ランチを楽しめたという母親の声も紹介されている。大学受験の予備校となれば、年間100万円近いカネがかかる。それを12万円程度に圧縮できれば、萩生田大臣に「身の丈に合わせて」と切り捨てられた家庭も大助かりだろう。

最終更新:11/16(土) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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