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「ネットでバズって書籍化」したライターが、いまいち未来を楽観視できない理由

11/16(土) 12:07配信

BuzzFeed Japan

2013年7月、山口県。12人が暮らす小さな集落で、5人が殺害され、2軒が放火されるという凄惨な事件が起こった。

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容疑者として逮捕されたのは、同じ集落に住む63歳の男・保見光成。彼の家の窓ガラスには外から読めるようにこんな意味深な川柳が貼られていた。

「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」

この連続殺人放火事件の“真相”を、事件から3年以上経ってあらためて追いかけたルポルタージュが『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』(晶文社)だ。

村にひそめく「うわさ話」

「異常な村で起きた異常な事件」という印象で読み進めていくと、その期待はいい意味で裏切られていく。

静かな集落に満ちる、たくさんの「うわさ話」。何か悪口を言われているんじゃないか。仲間はずれにされているんじゃないか。事件を生んだ闇は、誰しもどこか身に覚えがある感覚だ。

当初は出版どころか雑誌やWebサイトへの掲載予定もなかったというこのルポルタージュ。行き場がなかった数万字の原稿を、著者・高橋ユキさんが自身のnoteに掲載し、有料で販売。大きな反響を呼び、トントン拍子で書籍化が決まった。

出版不況のなか、ノンフィクションが売れないと言われて久しい。予想外のルートで脚光を浴びた高橋さんに、刊行までの道のりを聞いた。

お蔵入りにするくらいなら…半年後に突然バズる

――noteにルポを掲載されたのが2018年7月のこと。すぐに話題になったわけではなく、少しタイムラグがあったんですよね。

そうです。あるノンフィクションの賞に応募していた文章だったですが、書籍化はおろか、雑誌やWebメディアに掲載されるめどもなく。「このままお蔵入りになるのも」という思いで公開したものでした。

アップしてからもしばらく反応はほとんどなく、やっぱりダメかと落ち込んでいたのですが、半年後に突然大量の購入通知がきて驚きました。

最終的に何人くらい読んでくださったのか、自分でもよくわかっていないんですが。あまりにも購入通知が多く、スマホが思うように使えないほどで、結構大変でした。

――有料でも読みたいと思う方がそれだけいらっしゃったということですよね。6本公開して最初の2本は無料、あとの4本を100円という価格設定でした。

全部で400円、私が子どもの頃に買っていたコミックくらいの値段のイメージですね。それくらいなら買ってもいいかなと思ってくれる人がいるかなと。

でも、本当にダメ元というか……誰にも読まれないままなのも悲しいので、載せておくか、という感覚だったんです。なので、8万字を超える原稿がこんなに反響があるとは予想外でした。

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最終更新:11/16(土) 12:12
BuzzFeed Japan

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