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能登のローカル食品スーパー「どんたく」が見せる底力、揚げたて唐揚げは「従来の10倍」の売上

11/16(土) 14:10配信

食品産業新聞社ニュースWEB

石川県は食品小売りの競争激化が著しいエリアだ。平和堂や富山地盤のアルビス、大阪屋ショップは同エリアへの出店を進めている上、クスリのアオキの本拠地も石川。また、福井県にはゲンキーもあり、SM(食品スーパー)とドラッグストアが入れ乱れた様相を示す。

ローカルスーパーが衰退傾向にあるこのような状況の中、どんたく(石川県七尾市、山口宗大社長)は七尾市で圧倒的なシェアを保持して存在感を見せる。慢性的な人手不足の中、あえて人手と手間をかけて独自色を出す。価格勝負では大手に勝てない。ローカルならではの武器で矜持を見せる。

どんたくは七尾市で圧倒的なシェアを誇るSMで、地域住民の生活の支えとして欠かせない存在だ。2010年には金沢にも進出し、再来年には同エリアへのさらなる出店を検討している。

専門性・地域性・話題性を重視しつつ、店舗の従業員が独自に考えたPOP(コトPOP)が目立つ独特の店づくりは、競合が激化する北陸エリアにあって、高い支持を集める。人手不足も深刻化する中、どのようにしてお客に選ばれる店づくりを可能にしているのか。新谷(しんたに)健一店舗運営部部長に話を聞いた。

〈人手不足でもあえて手間をかける〉

――どんたくとはどのようなSMか。

現在石川県で14店を運営している。本拠地の七尾市が中心だが、10年に金沢にも出店し、こちらで売り上げを伸ばしていこうという戦略を立てている。客層はエリアによって異なるが、売り場づくりはそこまで変えていない。ただ、「西南部店」(金沢市)はここでしか買えないものを並べてやや高質な店舗にしている。

どんたく全体のこだわりは地産地消だ。「地元の味 能登半島」といったPOPで大きくアピールして、青果や水産はもちろん、日配など、地元の商品を多くそろえている。これはお客が望んでいる部分も多い。顔の見える生産者やなじみあるメーカーの商品なら安心して買ってもらえる。

POPは店舗ごとに違う。メーカーPOPを極力使用しないというのもこだわりだ。店舗の従業員が自分たちで作ったものを置いているので、担当者独自の視点が出る。同じ商品でも、店舗によってまったく異なる切り口のものになる。

クロスMD(異なる種類の商品を組み合わせ、同じ売り場で売ること)に関しても独自性を出している。ただの関連商品を置くのではなく、コラボに重点を置いている。これまで商品部のバイヤーが担当別に商品を並べていたのだが、16年に立ち上げたマーケティング戦略室が店舗との懸け橋となって、部を超えた連動ができて可能となった。例えば、畜産売り場のこだわりの豚肉の周りに、バイヤー一押しのキャベツやソースを置くことで、こだわりのお好み焼の具材をその売り場一カ所でそろえられるというようにしている。従業員が試してほしい商品をお好み焼という切り口でアピールするものだ。もちろんこの売り場でも、独自のコトPOPを置いて注意を促す。

このほか、山梨のいちやまマートが展開する独自ブランド「美味安心」やこだわりの味協同組合の「自然の味」といった他ではなかなか買えないブランドも展開している。

――人手不足が問題だ。

人口が減っているエリアということもあり深刻だ。本来必要な数の9割程度の人材で、なんとか運営しているというのが正直なところだ。特に40~50代のパートが足りない。足りない人員でいかにどんたくらしさが出せるかが鍵になっている。

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最終更新:11/16(土) 17:35
食品産業新聞社ニュースWEB

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